わたしが「スパイスという沼」にハマって何年経つのでしょうか。
気がつけばどっぷり「沼」に浸かっています。
この本にはたくさんのスパイスが出てきます。
でも、決して手に入りづらいものではなく、購入しやすいスパイスたちです。
インドの皆さんや中国の皆さん、本国の方々からすると「そんなところに使うの? ? ! ! 」みたいな感じかもしれません。
それでいいのです。わたしは日本で料理を作っていますから。
日本人だからこそのスパイス料理、そんな料理を皆さんにも作っていただけたら。
わざわざ珍しい食材を買わずとも、普通にスーパーで売っている食材を使って、おいしくて、いつもよりちょっとだけ洗練されたお弁当は、少しのスパイスを使うことで簡単に実現できます。
もちろん、お弁当だけではなく、毎日の食卓、おもてなしなどにも使えます。
ただ焼いただけの野菜、お肉でも、ガラリと表情を変えてくれる。スパイスのおかげで味に奥行きが出るから、自ずと塩分も抑えられて、また、化学調味料も使わなくていい。
「このスパイスを買ってもなぁ……」と躊躇される方、買ってはみたものの、一回使ったきりで眠っているスパイスをお持ちの方、ビビらずに!　とりあえず!　ちょっとその瓶を開けて!　使ってみてください! !
「台所の世界」が一気に広がります。いとも簡単に。
そして、どこかの国の風景を頭に浮かべながら、お弁当を食べてもらえたら。
そんな気持ちでこの本を作りました。
日々のお食事の「ちょい足し」な存在になれたなら幸いです。 

松島由恵

あさつきと花椒の混ぜ麺

［材料］（1人分）

中華麺　1袋（110g）
米油（またはサラダ油）　小さじ1
あさつき（幅5～6㎜に切る）　3本
Ⓐ ごま油　大さじ1
　 しょうゆ　小さじ2
　 レモン汁　小さじ1
Ⓑ 炒り白ごま　適量
　 花椒パウダー　適量

［作り方］
1.　中華麺はゆでて水にさらし、水気をよく切り、米油をひと回しする（くっつき防止）。
2.　よく混ぜたAと1、あさつきをからめ、Bをふる。

豆板醤と山椒の回鍋肉

［材料］（作りやすい分量）
材料（1人分）
豚もも肉（食べやすく切る／または切り落とし）　100g
キャベツ（ざく切り）　1/4 個（200gほど）
にんにく（みじん切り）　1/2 片
ごま油　大さじ1
Ⓐ 紹興酒（または酒）　大さじ1
　 豆豉醤　小さじ1
　 みそ　小さじ1
　 砂糖　小さじ1/2
粉山椒　少々

［作り方］
1.　フライパンにごま油をひいて弱火にかけ、にんにくを入れ、香りが立ってきたら中火にして、豚もも肉を炒める。
2.　全体に火が通ったら、キャベツを加えて歯応えが残る程度に炒め、Aで味をととのえる。粉山椒をふって軽く混ぜる。

切り干し大根とレモンのソムタム風

［材料］（作りやすい分量）
切り干し大根（乾燥）　50g
桜えび　10g
赤唐辛子　1本
にんにく（みじん切り）　1/2 片
ごま油　大さじ1/2
Ⓐ ナンプラー　小さじ2
　 砂糖　小さじ1/2
レモン　1個
ピーナッツ（粗く刻む）　20gほど

［作り方］
1.　 切り干し大根を戻し（水で15分ほど）、水気をよく絞る。
2.　フライパンにごま油をひいて弱火にかけ、赤唐辛子、にんにくを入れ、香りが立ってきたら中火にし、桜えびを炒めめ、Aで味をととのえる。辛みが苦手なら赤唐辛子を取り出す。
3.　1に2をからめる。レモンを絞って回しかけ、ピーナッツを混ぜる。

●保存…密閉容器に入れ、冷蔵室で2～3日保存可能。

「いつものお弁当」が スパイスで大変身 !　スパイス弁当

￥1,400（税抜）

PARCO出版

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著者・photo・Styling：松島由恵

松島由恵

料理家。
建築業界で長年勤務、ワインと食べ物が好きすぎて退社。
退社後、フランス料理店勤務を経て、『Dora The Food』開業。
広告・雑誌などへのレシピ制作、スタイリング、ケータリングなど食べ物まわり全般で幅広く活躍中。
JSA認定ソムリエ／薬膳アドバイザー。

https://www.instagram.com/yoshie_matsushima