本格的に寒くなってきたら、あたたかい家で冬ごもりするしかない! 家時間を楽しむのに、いまやなくてはならないのが、オンライン。みんなは、オンラインで何をしているんだろう。今回は、タレントそしてアパレルブランド「S.F sukoshifushigi(すこしふしぎ)」のファッションデザイナーとしても活躍する、ファンタジスタさくらださんのオンライン事情について、インタビューしました。
2024/01/26 Fri.
ファンタジスタさくらださん「ネット上にない情報を、ネットで見つけたい」
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2024/01/26 Fri.
ファンタジスタさくらださん「ネット上にない情報を、ネットで見つけたい」
本格的に寒くなってきたら、あたたかい家で冬ごもりするしかない! 家時間を楽しむのに、いまやなくてはならないのが、オンライン。みんなは、オンラインで何をしているんだろう。今回は、タレントそしてアパレルブランド「S.F sukoshifushigi(すこしふしぎ)」のファッションデザイナーとしても活躍する、ファンタジスタさくらださんのオンライン事情について、インタビューしました。
― さくらださんは、普段オンラインでなにをしていますか?
多分、一番時間を使ってるのはSNSな気がします。「友達が何してるかな〜」とインスタのストーリーズを見たり。Xは昔やってたんですけど、なんかやっぱり年齢なんですかね、情報量が多すぎて、最近はあんまり見なくなっちゃいました。インスタは、1日何回も見ちゃいますね。あとは、ファッション関連のマーケティングになるんですかね、みんなどういうものを見てるのかなとか、ハイブランドのファッションショー配信をインスタで見たり。
― いまはアパレルブランドのプロデュースもされていますよね。
出産のタイミングでグループ(あやまんJAPAN)を抜けて、そこからは子育てがメインでした。子どもがいるのにテレビで下ネタいってるのはどうなんだろう……(笑)、みたいなのもあって。でももう、娘は10歳なので、ポイポイやっているのをTikTokで見たりしていて「これって、もとはあさちゃんなんでしょ?」って言われるんですけどね(笑)
― お子さんにお名前で呼ばれてるんですね。
そうなんです。あさちゃん&ぼっくんで、やらさせていただいています!
― かわいい! アパレルをはじめたきっかけって?
出産後は鎌倉に引っ越してきて3人で本当に楽しく毎日を過ごさせてもらっていたものの、社会との繋がりをなにがしかの形で持っていたい、という気持ちがありました。そんな中、2013年にパルコミュージアムで開催された山縣良和さんと坂部三樹郎さんプロデュースの「絶命展」に行ったときに、「ファッションにはこんな可能性が広がっているんだ!」と思ったんです。
それまでの私はなんていうかファッションに対しての解釈が狭くて「ファッションは、自分を良く見せるためだけのもの」という勝手な印象があったんですよね。でも、山縣さんと三樹郎さんがやろうとしていることって、私が知ってたファッションじゃなかった。なんかもっと深く心に届くような、見る前と見た後で価値観がちょっと変わるような事象の提案をされていて、「そういうふうにやれるんだ!すごいな!」と感銘を受けました。
ファッションに接していくうちにデザイナーやスタイリスト、ヘアやメイクの友達が増えていきました。本格的にやっていきたいと思うようになったのは、4年ぐらい前。あるブランドでアクセサリーを作らせていただけるという機会をいただいて。そのときショウが行われたパリまで行って、コレクションブランドっていうのはこういうふうに動いているっていうのを、現場で見せてもらいました。
― それで洋服づくりに目覚めたんですね。
それから坂部三樹郎さんのファッションスクール「me」に入り、3年間通いました。学校に行く前と行った後ではアイデアの集め方も変わりました。昔はかわいいものをただ集めたり、街の人が着ている服を見て流行を感じたりして、「カルチャーで作る」という感じだったんですが。学校で三樹郎さんに教わったのは、デザイナーとして長くやっていくために、どれぐらい自分と向き合って自分にしか作れないものを出すか、ということでした。
― 外に目を向けることから、自分と向き合う作業に変わった?
答えは自分の内側にあるんだ、というのを3年でしっかり教えてもらったような気がします。それこそ、三樹郎さんの学校の存在を知ったのはインスタでしたね。
― 最近のインスタは、すごいですよね。アルゴリズムで欲しい情報が流れてくる。
本当に、オンラインの時代だと思いますよ。
― インスタで人生を変えるきっかけに出合ったんですね。
本当に。ワンチャン聞かれてるな、って思いますよね(笑)
― オンラインっていろんな可能性が広がっていますよね。それこそ、娘さんは10歳だから、生まれた頃からオンラインに接している世代。
そうですよね。娘を見ていると、オンラインがないって、もう、ありえない。娘は「すとぷり」の莉犬くんを推しているのですが、彼はトランスジェンダーであることを発表した上で男性としてアイドルをやっているんですよ。トランスジェンダーという事を公表してアイドルとして活動している人って、日本だとまだ少ないじゃないですか。インターネット上だから顔出しをせず活動を始められた背景もあったのかなと感じました、革命ですよね。そういうのを聞いているとめちゃくちゃ新しいな、すごいなと思って。オンラインで生まれた新しい文化で、いろんなことが自由になっているんだろうなと思います。羨ましいです、自分が子どものときには、なかったですからね。
― 確かに。考え方も広がりますよね。
インターネットだけの生活になると怖いところもありますけど、やっぱりテクノロジーの進化はすばらしいと思います。1日に見る情報量って、昔の40〜50倍とかいう話もあるじゃないですか。アルゴリズムも進化してるから、自分に合った情報が細分化されて届く。より細かく、コアに届く情報が手に入るということは、物理的な体からの解放でした。どこにいても、なんでも、できますよね。代わりに流行りのセンターがなくなったのですこし寂しい気持ちもありますけどね。昔はメインがあってこその、サブカルだったりしましたけど。
― ほかには、オンラインでどんなことをしていますか?
私、メルカリユーザーで。売るよりも、買う方ですね。昔のもので、どこにも売ってなさそうなものとかが、見つけやすいんです。こういう昔の雑誌とかも……。
―『ViVi』! 懐かしすぎます。赤文字系!
昔は雑誌も、青文字系とか赤文字系、って分かれていましたよね。私が学生の頃って、ギャルがヒエラルキーの頂点だったんですよ。今と違って、オタクに人権がなくて(笑)。女子校だったんで、スクールカーストの中の頂点はギャルで、当時は憧れを持って雑誌を読んでいたし、109で服を買ってたし。今考えると、頑張って無理してた部分もあったり。そういうのを、昔の雑誌を見てると思い出して、懐かしくて。こういうのに憧れてたな〜、っていう。当時考えていたこととか、当時どんなふうにこういうものと向き合っていたのかを、思い出したくって。
― なるほど、すごくいい!
洋服をデザインするときは、こういう雑誌から切り抜きをしてコラージュを作るところから始めます。良さそうなデザインをピックアップして、コピーして切り抜きして、拡大して縮小して……。当時の「ギャルになりたいけどなりきれない」という感情のゆがみとか、質感をコラージュで表現できたらって。切り抜きを人に直接貼ると、ゆがむんですよ、形が。それをそのまま再現することを、大切にしています。絵を描こうと思って線を引くと頭の中にあるものしか描けないけれど、コラージュだともっと自由度が高くなって感覚でバンバンいけるし、数もいっぱい作れる。
― おもしろいやり方です。
三樹郎さんの学校でデザイン画がよくない、線を引く才能がないからやめたほうがいい、と言われていたのですが、そんな中でも私が最もオリジナルに表現できるのは、多感な学生時代に一番ファッションを見ていたこの辺なんだ、という事がわかってきて。そうしたらコラージュでやってみたら?とアドバイスをいただいたのがきっかけでした。
― いろんな雑誌を買われるんですか?
めっちゃ買います。神保町の古本街にも行ったのですが、メルカリだとピンポイントで欲しい年代を検索して買うことができるんですよね。今インターネットってどんな情報でもあるじゃないですか。例えば人の名前で検索しても、割と出てきたり。だけど個人的な記憶や情報はなかなか出てきませんよね。私は父を早くに亡くしているんですけど、ネット上に父の情報って何も載っていないんです。
こんなにインターネットでいろんなことが調べられるのに、ネットにないものがある。たくさん溢れているからこそないものに目を向けた方が、新しいものを作れるんじゃないかなと思って。そこで昔の雑誌です。でもそれをメルカリで買ってるんだから、ネット上にない情報をネットで探してはいるんですけどね(笑)
― すごい、深いです。
メルカリって、すごいですよね。全国のおうちの中と繋がってる。誰かの実家のどっかで眠っているのが届くって、すごい。それがオンラインでつながってるって、超リアル。
― ほんとこの雑誌たち……しばらく見ちゃいますね(一同昔話で盛り上がる)。
見てると、めちゃくちゃ情報量が多いなあって思って。今はこれが、インスタとかなんでしょうね。
― ほんと見ていて飽きない……。これは、冬ごもりできますね!
外に出なくたって、超楽しめますよね(笑)
― ネットショッピングって、しますか?
日用品とかは買いますよ。でもやっぱり、洋服は、なんかそれが難しいんです。多分、洋服が、ネットで一番買わないかも。やっぱり洋服は、着てみないと。私の場合失敗談が多くて……。
― どんな失敗を?
届いたのが思ってた生地と違ったなとか、モデルさんが着ているのと自分が着たときの感じが違うな……だったり。ネットに慣れてなかった頃は、「この靴かわいい!」と思って買ったら、人形用だったこともありましたね(笑)。写真だけ見て、ちゃんとサイズも見ずに買ってしまって。結構昔ですけど、忘れられないです。
― 衝撃(笑)
なので、洋服はいまだにお店で買っています、私の場合は。やっぱり私は、パルコに行って普通に買い物がしたい。「買い物をしにいく」という体験込みで、楽しみたいですよね。
ファンタジスタさくらだ
Instagram:
2010年、あやまんJAPANメンバーとしてCDデビュー。2012年、スチャダラパーのBoseと結婚。2013年の妊娠をきっかけにグループを卒業。現在では、アパレルブランド「S.F sukoshifushigi(すこしふしぎ)」をプロデュースする。
撮影:廣江雅美
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