77年5作目のアルバム。ソウル、ジャズ、ゴスペルからの影響を多分にアピールした和製レアグルーヴ的な側面を持ち合わせ、ポップスとしても完璧に機能する名曲。初めて邦楽をレコードで手にした思い入れのある1枚。イメージは夏の終わりの夕暮れ、もしくは明け方? 店でかけるとジャケットを手に取るお客さんの率がとても高い1枚。歌謡曲はあんまり〜な方にこそ、聴いてほしいです。
レコードの良さって。
以上5曲、すべてよくかけているレコードの中から選んでみました。レコードの魅力って音の良さで語られることが多いと思うのですが、意外と音質的にイマイチなものも結構あったりします。もちろんいい録音のレコードをいいオーディオで聴くのは感動的です。ただ、それ以上に、アートワークとしてのジャケットの素晴らしさや存在感、音が刻まれた溝、長い年月を経て変色した厚紙の質感や匂い、インクの掠れ、丁寧に扱わないとキズで聴けなくなってしまったりする感じや、針を盤面に落とす儀式等々がたまらなくモノとして愛おしいし、探すこと自体が楽しかったり。まだまだCDにもサブスクにもない音源もたくさんありますしね。
店では基本的にすべての音源をレコードで大きめの音量でかけています。いい音で聴いてほしいので、オーディオも少しこだわりました。お客さんからレコードやオーディオのことで質問されれば何でも喜んで教えるのですが、店としてのスタンスは教えるというよりも、友達同士の「最近買ったコレいいよ。聴いてみて」の延長にあります。
ご紹介した5枚以外にも夏だからこそかけたいレコードは山ほどあって、ミストのような電子音のアンビエントは暑い日に聴くと最高に気持ちいいし、透明感のあるインディフォークもいまの時期に本当にしっくりきます。
「レコードって楽しそう」と思ったら、ぜひ近所のレコード屋さん、レコードをかけているカフェやバーへ足を運んで、お気に入りの1枚を見つけてください。知識がなくてもジャケットで直感的に選ぶのも楽しいし、リクエストOKなお店もあったりします。マニアが偉そうでめんどくさそう〜なんて思われがちですが、意外とそんなことないですよ。ぜひこの夏は、素敵なレコードライフを。
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