最近ちらほら聞かれる「シェア農園」というシステム。都心にいながらにして畑を持ち、気軽に野菜を育てられる!と、密かにブームとなっています。毎日のように食べる野菜を自分の手で育てられるなんて、ちょっと気になる存在。今回はそんなシェア農園を訪れ、いろいろとお話を聞いてきました。
2022/05/06 Fri.
野菜を自分で育ててみる。シェア農園ってどんな感じなの?
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2022/05/06 Fri.
野菜を自分で育ててみる。シェア農園ってどんな感じなの?
最近ちらほら聞かれる「シェア農園」というシステム。都心にいながらにして畑を持ち、気軽に野菜を育てられる!と、密かにブームとなっています。毎日のように食べる野菜を自分の手で育てられるなんて、ちょっと気になる存在。今回はそんなシェア農園を訪れ、いろいろとお話を聞いてきました。
今回訪れたのは、自由が丘駅から徒歩15分と都心の住宅地にあるシェア農園「八雲のはたけ」。こちらは「体験農園マイファーム」で管理するシェア農園の一つ。体験農園マイファームでは、都市型の体験農園を全国に100カ所以上運営。農薬を使わずに有機質肥料をつかって栽培することを基本とし、気軽にオーガニックの野菜を作ることができます。
農園に一歩足を踏み入れると、目の前には広々とした畑が広がります。こんな都心に、こんなにのどかな畑があるとは……驚きです! 取材の日は天気もよく、鳥のさえずりが聞こえ、チョウチョが飛び交っていました。空気もなんだか、おいしい気がする。
今回いろいろと教えてくれたのは、八雲のはたけのアドバイザー・玉置さん。もともと料理関係の仕事をしていたという玉置さんですが、野菜の素晴らしさに魅せられて4年前からこちらにいらっしゃるそうです。
「ほんとに野菜を育てるのって、楽しいんですよ!」と、玉置さん。
農園には必要な農具・肥料がすべて準備されており、手ぶらで来られます。道具を揃えるって、結構ハードルが高いんですよね……。これはうれしい!
道具はもちろん、肥料なども揃っています。
マイファーム農園では、毎月サンプル種を3種類もらえます。
こちらの種で、カブを育てている様子。生長を見守るのが楽しそう!
八雲のはたけには、12区画の畑があります。1区画は約10m²(6畳ほどの大きさ)にあたり、これを1人で管理するのはなかなか大変だとか。そのため大人数で一緒に借り、交代で野菜のお手入れをする人が多いそうです。
八雲のはたけでは、半区画(5m²、写真の2うね分)から借りることができ、半区画から借りる人も多いそうです(現在はキャンセル待ちの状態)。契約期間は1年。月額利用料金を支払い、1年ごとに更新していきます。利用条件は農園によって異なるので、体験農園マイファームのサイトでチェックしてみて。まずは見学だけでもしてみることをおすすめします。
シェア農園というと野菜を思い浮かべる人が多いかと思いますが、こうしてお花とミックスして育てている人もいます。美しい花が咲いたら、お花摘みをして、部屋に飾る。なんて贅沢……!
こちらは牛糞堆肥や野菜のくずが積み上げられ、土作りをしている様子。有機物がどんどんと出てきて肥料になります。野菜を育てるには土作りがとても重要。体験農園マイファームでは、まず入会したら土作りをアドバイザースタッフと相談しながら行うことができるので、安心。
また、家庭で毎日出る生ゴミを堆肥に変えるLFCコンポストをしている人は、それを畑で利用することもできます。これこそが、体験農園マイファームが大切にしている「循環」。「環境負荷をかけずに自宅と畑で食の循環をできるなんて、素晴らしいことだと思います!」
また、家庭菜園の良さは、一つの畑でたくさんの種類の野菜が育てられること。いろいろな微生物が作用し、これは土にとってもとてもよい影響があるそう。例えば、ソラマメを生長させる根粒菌は、空気中の栄養窒素を土に固定する役割があるため、他の植物の生長を助けます。これこそが、体験農園マイファームが大切にしている「多様性」。「目に見えている部分に多様性があると、土の中も多様性があるというしくみになっているんです!」
こちらは、ローズマリー。触れるだけでハーブのいい香りを感じられます。お肉料理に添えたい〜
こちらは、ねぎぼうず。スーパーなどではなかなか見かけることがないこういった野菜を育てられるのもシェア農園の醍醐味です。とってもおいしいらしい!
こちらは、シャガイモ。作付けの一年ではじめの時期の2〜3月に植え、梅雨に収穫します。
こちらは、左がソラマメ、右がレタス。ソラマメはアブラムシがつきやすい野菜ですが、キク科であるレタスはアブラムシを寄せ付けないアレロパシーを発するため、横に植えられているそう。こういった関係性を、コンパニオンプランツ=共生植物といいます。
こちらは、緑肥(りょくひ=植物性肥料)だけで育てるスペース。クローバー、えん麦、マメ科、イネ科などの緑肥を混植。株を残し刈って敷いて……と循環させ、動物性肥料なしで草や緑肥で耕さずに野菜を育てる不耕起栽培(ふこうきさいばい)というもので、地球環境に優しい農業のやりかただとか。ここでは、かつおだしのような風味の出汁が出るカツオ菜などが育っています。
緑肥を使うことで、野菜が育つごとに土の質がよくなります。有機物でふかふかに肥えてきた畑には、紫の花をつけるホトケノザが生えてくることが多いそうです。
収穫した固定在来種を、畑の所有者にシェアしているそう。これも、循環の一つです。こちらはカラシ菜の種。
こちらは、ダイコンの種。ダイコンは、サヤや種もおいしくいただくことができるそう。スーパーで野菜を買うだけでは気づくことができないこういった楽しみかたも、野菜作りを通して知ることができます。
ダイコンがこんなキレイな花を咲かせるって、知らなかった……という発見も。
青空の下で育った葉からは、ひしひしと生命力を感じます! なんだか、私たちまでパワーをもらえる。
こうして八雲のはたけは農園として利用できるほか、イベントや、地域で採れた野菜を販売するマルシェなど、さまざまな活動を通じて農業に触れることができます。
「初心者だからちゃんと育てられるかな……と懸念される方も多いですが、みなさんはじめての方ばかりです。自分で野菜を育てると、いろいろと新しい発見があり、食生活だけでなく人生が豊かになります。私たちアドバイザーは野菜に目をかけますが、手は出さないようにしています。みなさま、自分の手でぜひ野菜を育ててみてください。土の微生物も一緒に育ててくれるので、安心してください。きっと素晴らしい野菜が育ちますよ」と玉置さん。シェア農園、やってみたくなりました!
体験農園マイファーム
耕作放棄地をリメイクし、都市住まいの方が気軽に野菜づくりを楽しめる体験農園を運営。全国に100カ所以上ある農園はいずれも市街地からアクセスしやすく、道具などの準備も不要。各農園にはアドバイザーが在住し、畑や野菜作りの楽しみ方を伝えている。
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