早速、砥石を使った包丁研ぎについて教えてもらいました。荒砥石→中砥石→仕上げ砥石の順に使って研いでいきます。
包丁を研ぐ前に、必ずたっぷりの水で砥石を濡らしてから行いましょう。砥石を30分くらい水につけてから使うといいそうです。また、危ないので平らな場所に置くようにしましょう。
今回使うのは、ステンレス製の牛刀包丁。包丁を持ったとき、自分の体に近い面が裏面です。右手にしっかり握り、親指を添えて起点とします。奥の表面にはしっかりと人差し指を添えます。
しっかりと包丁を持ったら、荒砥石から使っていきます。こちらを使うことで、研ぐ時間を短くすることもできます。
まず、表面から研ぎます。刃が手前側に向くようにし、砥石に対して包丁を45度の角度におきます。刃は砥石の表面から10〜15度くらい(10円玉2枚分くらいの高さ)に立てます。左手を添えながら押すときに力を入れ、引くときにはすっと力を抜いて。4箇所くらいにわけて研ぐと、仕上がりがキレイになります。摩擦熱を出さないようにするため、要所で水を砥石にかけながら行いましょう。
きちんと研げているかは、2箇所をチェック。
まず、「バリ(かえり)」をチェックします。石(砥石)と金属(包丁)をこすりあわることで、金属が削れて反対側にめくれあがってきます。それが「バリ(かえり)」。研いでいる方向と逆側の刃にバリが出ているかどうか、指で触れて確認しましょう。全体にこのバリが出ている状態であれば、きちんと研げているということになります。
また、刃先に光沢のある2mm程度の細い線が確認できていればOK。刃の広い部分に線状の研ぎあとがついてしまっている場合は、寝かし過ぎているなど、研ぐ際の角度がずれている可能性も。研ぐ際の角度などはコツをつかむまでは少し難しいと感じるかもしれませんが、繰り返していくうち習得していくことができるので気長に覚えていきましょう。
裏面を研ぐ際は、手のポジションを変えます。
表面を上にあげ、上に人差し指を添えます。表面を研ぐ際と逆で、引くときに力を入れるように。研ぐ回数はその包丁にもよりますが、30往復くらいが目安。バリの出方を確認しつつ行いましょう。
次に使うのは、中砥石。荒砥石と同じことを繰り返します。荒砥石は粒度が荒いため、包丁とこすれあうとジャリジャリという音がしていたのに対し、中砥石は粒度がそれよりも細かいため、研ぐ際にシャリシャリとやさしい音が響きます。
砥石に色が黒く出ている部分は、削られてくる金属です。表面と裏面、各30往復を目安に研いでいきましょう。
最後に仕上げ砥石を使い、同じことを繰り返します。こちらは粒度が細かく、石自体が一番固いものとなっているので、力の入れすぎに注意。力を入れすぎると、いままで頑張って出した切れ味を壊すことになってしまいます。
やわらかい力をかけながら表面、裏面と研いでいきます。
仕上げ砥石をかけてもざらっとしたバリが残ってる場合があります。新聞紙やデニムなどの厚手布で刃先をこすりつけて全体のバリを取り除きます。
こちらはバリを落とすのに使いやすいエプロン(釜浅商店オリジナル商品)。バリ取りに使う箇所は布が2重になっていて、デニムの張り替えが可能です。
完成!
切れ味抜群になりました! 研ぎ終わった後は、砥石修正をかけるのを忘れずに。
「まず、入り口は中砥石からチャレンジするとよいですよ」と、百合岡さん。とはいえ、砥石は種類も多く、包丁の材質と砥石の相性もあるので迷ってしまうこともあります。だからこそ砥石を買う場合は、刃物専門店で選ぶと安心だとか。
また、包丁研ぎの頻度はそこまで多くなくてもよく、「切れ味が悪くなってきたな」と感じるときに行うのでOK。逆にあまりやりすぎると、刃が短くなってきてしまいます。「私の場合の目安は、ナスやピーマンを切っているときに上滑りするなと感じるときです。研ぐ頻度は1ヶ月に1回の人もいれば、半年に1回という人もいますよ」と百合岡さん。
釜浅商店で包丁を購入すると、その場で名入れをしてくれます。これは、自分だけのものという感じがしてうれしい!