自分の「大好き」と向き合うおうち時間は、幸せのひととき。いろいろな過ごし方がありますが、大好きなペットとじゃれ合う時間もまた至福です。今回は、大の猫好きとして知られるミュージシャン・坂本美雨さん
@miu_sakamoto
に、大好きな愛猫「サバ美ちゃん」との毎日を語っていただきました。
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2021/10/22 Fri.
肉球とおなかが愛おしい。坂本美雨さんが語る、愛猫・サバ美との毎日
自分の「大好き」と向き合うおうち時間は、幸せのひととき。いろいろな過ごし方がありますが、大好きなペットとじゃれ合う時間もまた至福です。今回は、大の猫好きとして知られるミュージシャン・坂本美雨さん
@miu_sakamoto
に、大好きな愛猫「サバ美ちゃん」との毎日を語っていただきました。
サバ美は元保護猫。推定13歳です。もともとは地域猫といって、TNR(Trap/Neuter/Return = 野良猫が増えすぎないように去勢不妊手術をして元のテリトリーに返すこと)を受けて、ボランティアさんに見守られながら千葉の大きな公園で暮らしていました。しかしあるとき、だれかに虐待を受けてしまい、木にぎゅうぎゅうに縛り付けられていたそうです。
そこを助けられて生き延びたのですが、そんなことをされたら人間を嫌って当たり前なのに、ボランティアさんが近寄ると変わらず「ニャーー!」と寄っていく、根っからの人好きだったよう。また同じいたずらを受けてはいけないと、保護団体に引き取られました(野良猫失格!)。
そうして里親募集サイトに掲載された一枚の写真に、私が一目惚れしたのが29歳。当時は30代を目前に、明るい未来が見えず、なかなか苦しい日々を送っていました(だから夜な夜な里親募集サイトをサーフィンしていたのでしょう……。もうはっきりとはその頃の辛さは覚えていませんが)。
そんなとき、美しいサバ美の眼差しを見て、この子と家族になりたい!と強烈なヒラメキに打たれたのでした。譲渡会(里親希望者さんとの出会いの場所)に行き、運良く一緒に暮らせることになりました(ちなみに、サバ美という名前はボランティアさんが付けていた名前で鯖柄なのでサバ美。呼ぶと反応するので、そのままにしました)。
ボランティアさんが私の一人暮らしの小さな部屋にサバ美を連れてきてくれたとき、3日くらいはベッドの下に籠城するか……と覚悟していたのが鮮やかに裏切られ、サバ美は「ここ、まぁ、わるくないじゃない」と、部屋の真ん中のラグにゴロン、と伸びたのでした。あんなに怖い目にあったのに、人間に心を開き続け、ノーガードでゴロンしてしまうサバ美を、心の底から尊敬しました。
一生幸せにする!と誓って暮らし始め、11年が経ちます。外で暮らしていたにもかかわらず、生まれ持った気品のある子で、歳を重ねてその上品さと美しいオーラにますます磨きがかかっています。
小さい頃から特に好きなのは、ぷにぷにの肉球。触り心地はもちろんですが、なんといってもにおいがたまらない。肉球のにおいは香ばしくて、どんな子も嗅がずにはいられません。ポップコーンのにおい、と私は言っています。
そして、サバ美のおなか。もっちりとやわらかくて、そこはパラダイス!
丸くアンモナイト状になって眠っていると、3cmくらいにちいさーくなって、この中に飛び込みたい!住みたい!といつも思います。
そんな願いを、アルバムのジャケットで叶えました……。ベストアルバムだったので、子どもの頃からやりたかったことを思いきりやらせてもらいました(笑)。
こうしてネコのふわふわな体に顔を埋めて深く呼吸をすることを「ネコ吸い」と名付けています。
2014年に、幻冬舎さんから『ネコの吸い方』という本も出版しました。今では、SNSなどで“ネコ吸い”をやられているかたを多く見かけて、その度に、ニンマリしています(笑)
猫を飼っているということは、かけがえのない家族がいる、という一言に尽きるかもしれません。毎年2月22日、ニャンニャンニャンの日を猫の日としてお祝いをしていますが、一昨年、『ねこのうた』という曲を書きました。
ここに書いたように、さりげなくそばにいてくれる、どんなときも人間の様子を観察し、感じあって暮らしてくれていること。それが、家族、っていうことなんだなぁと思います。
また、猫がつなげてくれたコミュニティも人生に欠かせない大事な存在となりました。サバ美を迎えたときはまだ独身で、ツアーに出たり留守をしたりするときにどうしよう、と悩んでいたとき、友人が「私たちがお世話するよ!」と背中を押してくれました。
大事な家族を預けたり、家の鍵を渡して自由に入ってもらったりという関係の中で、心から信頼できる仲間ができ、愛猫の病気や死をともに乗り越えたり、またライフステージが変わり人間の家族が増えたりと、家族ぐるみの長い付き合いになっています。
今は子供同士が幼なじみになり、ネコと一緒に育っています。ネコが連れてきてくれた、一生の友達です。
ペットとじゃれ合う時間は、至福の時間。心がパワーチャージできて、忙しい毎日をもっともっと頑張れます。
坂本美雨
1997年デビュー。ミュージシャン、執筆、ナレーション、演劇、ラジオパーソナリティと、幅広く活動中。一方で動物愛護活動に長年携わり、著書『ネコの吸い方』や楽曲『ねこのうた』に愛猫・サバ美への愛を綴るなど、大の猫好きとしても知られる。一児の母でもあり、インスタグラムなどで猫と娘との暮らしも綴っている。
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