約700種2000本の植物を展示しているという、植物園エリア。最初は、「潮間帯(ちょうかんたい)植生」と呼ばれるエリアへ。熱帯の河口域に見られるマングローブやニッパヤシが茂る様子を、間近に見ることができます。館内の温室は、隣接する板橋清掃工場でごみを燃やした際に出る高温の排ガスを再利用したもの。ちゃんと、循環しています。
熱帯植物に囲まれながら、順路を進みます。こんなに緑に囲まれながら歩くことって日常ではあまりなくて、とても気持ちがいいもの。癒されます。熱帯低地林を再現した「熱帯低地林」エリアでは、さらに大木が生い茂り、景色はまるで南国。「すっごい空気がおいしい! この木の形、好きだなあ」ユウナさんが指差しているのは、ルンフソテツと呼ばれる植物。いかにも熱帯らしいルックスです。
こちらは、ビヨウタコノキの実。触ってみると、固くてずっしりと重い。普段なかなか触ることのできない植物に触れられるのも、楽しい。
「天井からの太陽の光も気持ちがいいし、どこを撮っても絵になる。つい、写真をたくさん撮っちゃいますね」
「自撮りも、映えますー♡」
「いろんな形の葉っぱがあって、おもしろい。自然って、やっぱり偉大だなあ」
見渡す限り、緑、緑、緑。
順路を進んでいくと、マレーハウスのある「集落景観」エリアへ。ニッパヤシの葉で屋根をふいたマレーハウスでは、ベンチでひと休みすることができます。まわりには、東南アジアの人々の生活にかかわりの深い食用・薬用・香料に利用する植物がたくさん。ヘビやトカゲなどの生き物も展示されています。「この写真、海外旅行に来たみたい!」
緑ばかりの中にも、鮮やかな赤やピンクの花を咲かせる植物を見られたりもします。気分は、リゾート!
お次は、冷室となっている「雲霧林」エリアへ。雨や霧が多く、夏でもひんやりとしている熱帯の産地の環境を再現しています。人工の霧のシャワーを浴びながら、さっきまでのエリアとは少しまた雰囲気が違う空間。ランや熱帯性のシャクナゲ、食虫植物の姿を見られます。
「ほんとに植物って、いろいろあるんですね。見た目がかわいくて、家に置いてみたいものもいっぱいあったな」
植物園エリアをでたら、休憩コーナーもあります。土・日・祝はアジア料理を味わえる「喫茶クレア」として営業しています。大きな窓からは、さっきまで見上げてきた熱帯雨林の植物たちを俯瞰で見ることができて、圧巻。
「マイナスイオンたっぷりで、ここに住めたら幸せそうだなあ。今住んでいる部屋も、植物に囲まれていて。陽当たりのいいところに引っ越したので、観葉植物を育てることが日々の楽しみでもあります」
出口へ向かうと、熱帯雨林の生態系や人びとの生活、熱帯雨林の破壊と修復の現状を紹介している常設展示コーナーや、東南アジアの昆虫標本のジオラマ展示も。熱帯雨林、植物、園芸、東南アジアに関する書籍などを閲覧できる図書コーナーもあります。窓からは温室を一望できるポイントも。館を出るまで、楽しく勉強しながら過ごすことができました。
「お魚さんに、熱帯植物。コンパクトな空間でありながらも、味わえることがたくさんありました。光と緑に囲まれて、空気もキレイだったし。気軽に来られるこういう場所がいっぱい増えたら、楽しいですよね。写真も映えるし、若い子が知ったらTikTokとかで流行ったりするかもしれませんよね(笑)」と、ユウナさんも大満足。普段見ることができない熱帯植物を学べて、心もリフレッシュできる、穴場のスポット。次の休みは、ぜひ植物園を訪れてみては?