機能性を最も実感しやすいもの、それは肌に直接触れるインナーウエアです。体感温度がマイナス20度になるような、真冬の標高の高い雪山では、メリノウールインナーが手放せません。ウールと聞くと「チクチクしそう」なんて思われるかもしれませんが、インナーに使われているのは細く柔らかい、メリノ種の羊毛。サラっとしていて、素肌にまとった途端、天然の優れた発熱性による心地よい暖かさに包まれます。
暖かく、なおかつ汗冷えしないというのも、メリノウールインナーの魅力です。山歩きは体をハードに動かすため、たとえ雪山でも汗をかくほど暑くなることがあります。メリノウールインナーはそんなときも、高い吸湿性と発熱性がありながら、繊維の表面は水を弾くので、肌の表面をドライに保ってくれます。
街で化繊の発熱性のあるインナーウエアを着ていて、駆け込んだ電車のなかで汗が止まらず、結局汗冷えしてしまった……なんて経験がある人も多いと思います。メリノウールインナーは寒暖差の激しい街はもちろん、家の中でも、あらゆる環境で快適。常に「ちょうどよい暖かさ」を生み出してくれる天然の力に、いつもホッとさせられています。
「モンベル」のスーパーメリノウール L.W. タートルネックシャツは、首元まで守られます。厚手のセーターを着るほどではない秋深まったころから、春先まで長く活躍。真冬は首元がチクチクしがちなハイネックセーターの下に重ねるのもおすすめ。肌触りのよさと暖かさがアップします。
冬の間毎日のように手が伸びてしまうのは「icebreaker」の200 オアシス ロングスリーブ クルー。重ねる服を選ばないシンプルなデザインです。ニットやフリースのトップスの下に1枚着れば充分暖かく、モコモコ着ぶくれて家事のために動くのが億劫という「冬あるある」も防げます。icebreakerを愛用して数年が経ちますが、毛玉ができづらい、型崩れしない、といった持ちのよさもお気に入りです。
「雪山用靴下」をルームソックスに
山用の靴下は、高い保温性と吸湿速乾性で心地よい暖かさを保ってくれるアイテム。一般的な靴下よりもクッション性が高いため疲れにくく、部位によって編み方を変え立体的に仕上げていて、足を動かしやすいのが特徴です。ハイキング用や夏山用でもかなりの厚さがあるため、山歩きを始めた当初は驚きました。
こちらはモンベルの雪山用。内側のパイルはこんなにモコモコ! それでもムレない、汗冷えしない、というところが、さすがアウトドアグッズです。
インパクトのあるカラーやほっこり可愛い柄物が多く、なかなか傷まないこともあり、ついつい集めてどんどん増える山用靴下。冬に室内用として使い始めてみたら、これが本当に暖かくてピッタリでした。
おすすめはやっぱり雪山でもOKな極厚タイプ。足元から冷えるフローリングの上でもしっかり保温。ルームシューズのように脱ぎ履きの手間や動きにくさがありません。さすがにこのままタイトなシューズは履けませんが、ブーツやスリッポンで出かけるときは靴のサイズに余裕があるので、街中でも履いています。
ちなみにこちらはテント内で使うダウン靴下。キャンプのときだけ使うのではもったいない、ということでこちらも室内用に。北向きの寒い書斎でデスクワークをするときに重宝しています。