（写真提供：あき）

こちらの「モルック」というスポーツは、近年メディアで取り上げられることが増えた話題のスポーツです。ご存じの方も多いのではないでしょうか。

（写真提供：あき）

プレーの仕方は、木の棒（モルック）を投げ、的となる12本の木の棒（スキットル）を倒すというもの。12本のスキットルには、それぞれ1〜12の数が描かれており、1本であれば倒したスキットルの数字の得点、複数本であればその数の合計の得点が入ります。これを複数チームで順番に投げながら、合計がちょうど50点になったら勝つというスポーツです。1vs1でも複数vs複数でも、どちらでも遊べるという意味でも取り入れやすいのが魅力です。

（写真提供：あき）

プレーしている間の動作は、投げること、歩くこと、倒した棒を起こすためにしゃがむ……など簡易的で、体力をあまり必要としません。その一方で、あと何点を取れば勝てるのか、どう邪魔をすれば負けないのかなど、投げる技術だけでなく駆け引きもあって頭を使います。一度モルックを経験すると、ピッタリと勝てた爽快感や、負けてしまった悔しさで何度もチャレンジしたくなります。小学生でも30分も遊べばルールを理解し、人に説明できるようになるくらい簡単。老若男女、誰でも楽しみやすい遊びとしておすすめです。

「ベースボール5」は、野球やソフトボールを世界中で普及させるべく、世界野球・ソフトボール連盟から発表されたスポーツです。必要なのは、小さなスペース、最低限の道具、少ない人数。手軽にできることが最大の特徴であり、今後普及活動が進んでいくと、メディアで見る回数が増えていくかもしれません。それぞれのスポーツに似た要素が残っていますが、新鮮さを感じるルールもあります。まず、バットやグローブを使用せず、必要なのはボールのみ。また、ピッチャーやキャッチャーはおらず、守備のときは5人で守り、その内訳として男女のメンバーが最低2人ずつ必要です（男性2女性3or男性3女性2）。

（写真提供：あき）

野球でいうところのバッティングは、自分でボールを持って手で打ちます。実際にやってみると、ボールは硬球のように硬くないですが、コントロールが意外と難しいんです。攻撃をするときには、守備に立っている人のどの隙間を狙うのか考えたり、守るときは正確にキャッチして送球したりと、シンプルながら奥深いスポーツだと感じました。最近では国内大会、国際大会が行われました。もう一度野球をやってみたい人や始めてみたい人など、体験してみてはいかがでしょうか。

（写真提供：全日本サッセン協会）

子供の頃に、友達や兄弟とチャンバラ遊びをしたことがある人も多いのではないでしょうか。そんな懐かしさを感じさせるスポーツを紹介します。こちらのスポーツ「SASSEN（サッセン）」は、センサーが内蔵されたプラスチック性の専用の刀を持ち、相手に刀が当たることでセンサーが反応して、得点が生まれます。剣道や、フェンシングなどから派生したようなスポーツでもあり、平成28年に日本で生まれた非常にシンプルで新しいスポーツです。

（写真提供：全日本サッセン協会）

面白さは、なんと言っても一瞬の駆け引きです。5回しか剣を振れないというルールが決まっており、1vs1で相手の動きを見ながら戦います。筆者が体験に行った際は、年齢差が30歳近くある方に稽古をつけてもらいました。刀の振り方から、避け方、視線など意識すべきポイントがいくつもありました。こちらも非常に取り組みやすいスポーツであり、どこか懐かしさを感じながら、勝つために没頭してしまう競技です。

（写真提供：VICUSコーフボール杉並）

コーフボールは、男女4人ずつで8人1チーム制の、バスケットボールに似ているスポーツです。バスケットボールの人口は世界でもトップレベルに多いですが、このスポーツも実は世界大会があるほど。約70カ国でプレーされており、日本代表も国際大会に参加しています。特徴的なルールとしては、ドリブルが禁止されていてパスをつなぎながらゴールを目指すこと。接触するプレーは反則となり、異性へのマークが禁止されています。ゴールはバスケのようにバックボードがなく、また350cmとバスケより45cmほど高いところにあります。360°どこからでもシュートできるようになっていることも、バスケにはない新しい特徴です。

（写真提供：VICUSコーフボール杉並）

ドリブルができないため、個人プレーのみで得点が奪えるスポーツではありません。よりチームプレーが必要となるので、誰かとスポーツを一緒に楽しみたい人にとって最適。こちらは少人数でプレーできるスポーツではありませんが、お住まいの地域の近くに活動しているチームがあるかもしれませんので探してみてください。

「YOU.FO（ユーフォー）」は、オランダ発祥のスポーツ。近年開発されたスポーツであり、日本に道具が輸入されたのは2022年です。専用のスティックとリングを使用して遊ぶのですが、リングが浮遊する様子と、キャッチしたときの爽快感にハマってしまうという人が続出。試合でプレーをする際は、攻守に分かれてチームでパスを交換しながらゴールのエリアを目指します。定められたエリアでキャッチに成功すると得点が入ります。オランダでは子供から大人まで楽しまれているそうで、世界では5000人の愛好者がいます。日本国内ではまだあまり普及していないですが、今後トレンドになる予感も。ぜひ注目してみてほしいスポーツの一つです。

「スポーツはあまり得意じゃない……」という人でも、「これなら楽しめそう！」と思える、いままでになかった視点のスポーツは意外とたくさんあります。これをきっかけに、この秋からゆるく運動を楽しむ習慣をつけるのも大いにアリですね。

藤原 昂亮

@k0sk_vektor

「マイナースポーツ案内人」として、アスリートとして自身がプレーする傍ら、メディア出演、ライター、スポーツ支援など、幅広くマイナースポーツを広める活動を行う。