— 喫茶店のどんなところが好きですか?
外に出たいけれど、ゆっくり読書したいな、考えごとをしたいな、自分の世界に浸りたいな。喫茶店は、そんなときに訪れる場所です。とくに雨の日は、考え事にふけってしまいます。窓際の席なら、窓の外の景色をぼうっと見ながら。雨のときに喫茶店にくると「守られているなぁ」という感じがして、好きです。
初めて訪れる喫茶店の扉を開けるのは少し緊張しますが、お店の中ではみんな思い思いに過ごしているので「好きに過ごしていいんだ」と、安心して自分の時間を過ごすことができます。それも、喫茶店の心地いいところです。
— 喫茶店を好きになったきっかけは?
昔、京都に住んでいたころによく訪れていました。当時は喫茶店にマッチが置いてあって、そのデザインがかわいくて。集め始めたのがきっかけです。煙草を吸わなくても、マッチだけもらって帰っていましたね。今はマッチが置いていないところが多いですが「マッチ、ありますか?」と聞いてみたりもします。いただいたマッチは、ダンボールいっぱいにコレクションしています。
— 一人で訪れることが多いですか?
はい、一人で訪れることも多いですね。考えごとしたり、読書したり、仕事したり……。喫茶店では、好きなようにあらゆることができるから。とくに、仕事でちょっと煮詰まったときや気分転換したいときに訪れることが多いですね。喫茶店で静かに過ごすことで、気持ちをトーンダウンできます。もちろん、誰かとおしゃべりしにいくこともありますよ。待ち合わせで使うことも多いです。
— へえ、待ち合わせ! 簡単に連絡が取れるこの時代に、新鮮ですね
はい。待ち合わせするときは、友達が来る前に早めに着いて読書したり。忙しい日々の中でそういった時間も、大切で贅沢だったりするんですよね。
— もう生活の一部という感じですね
そうですね、週2くらいは訪れます。趣味とも言えるかもしれません。東京に出てきて20年が経ちましたが、いろんな街の喫茶店に行きました。各駅にお気に入りのお店があるといっても、いいくらい。最初は、東京タワーや浅草に行くような、観光地に行く感覚でいろいろな喫茶店に足を運んでいました。
行ったことのないところを見つけるのも好きで、初めての街に降り立つとマップで「喫茶店」と検索。写真を見て「ここ自分好みだな」というところは、必ず立ち寄ります。個人的に好きなのは、昭和レトロな雰囲気を感じられる場所です。
— 20年、喫茶店に通っていらっしゃるのですね!
昔は、勇気を出していろいろ開拓していましたね。ファストフードでお茶をするのではなく、わざわざ扉を開けて違う世界に入る感じが、ちょっと大人になった気持ちがして。当時はお店にいる常連さんを見ては、喫茶店でスマートに振る舞う大人に憧れていました。今、それを叶えられているのかもしれません。