外来生物を知るためのイラスト・漫画図鑑「侵略! 外来いきもの図鑑 ~もてあそばれた者たちの逆襲~」の中から、「えっ! マジ!? ガビーン」と思うような、かわいそうないきものたちをご紹介します。
今回は、最終回のpart4で「ウチダザリガニ」です。
いま関心が高まっている外来種のお話です。
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2019/08/25 Sun.
侵略! 外来いきもの図鑑 ~もてあそばれた者たちの逆襲~ part4
外来生物を知るためのイラスト・漫画図鑑「侵略! 外来いきもの図鑑 ~もてあそばれた者たちの逆襲~」の中から、「えっ! マジ!? ガビーン」と思うような、かわいそうないきものたちをご紹介します。
今回は、最終回のpart4で「ウチダザリガニ」です。
いま関心が高まっている外来種のお話です。
外来種を調べれば調べるほど、人間は何と「業(ごう)」が深い生き物なのだと思い知らされました。外来種の歴史は人の「業」の歴史と言っても過言ではありません。
何かと悪者扱いの外来種ですが、彼らの多くは人の業の被害者なのです。そんな「業」の歴史がギュッと詰め込まれています。
侵略的外来生物って?
外来生物とは、本来その土地に生息していなかったのに、主に人間がよそから持ち込んだ生物のこと。
そんな生きものが新しい土地で繁殖すると、とたんに侵略的外来生物となってしまうこともあるのです。
デカイぞ! 美味いぞ! 共食いするぞ!
危険度:日本100◎◎◎◎
分類:甲殻綱十脚目ザリガニ科
原産地:カナダ南西部、アメリカ北西部
体長:15cm
その他:滋賀県に棲む同種別亜種はタンカイザリガニと呼ばれる。北海道など冷水域に生息する本種とともに、日本の侵略的外来生物ワースト100に選ばれている。
※危険度を5段階で表示し、日本や世界の「侵略的外来生物ワースト100」に選ばれているものは、それぞれ明示しています。
・夜行性、冷水性で河川や湖沼に生息、塩水にも耐性がある
ハサミ
ガッシリした大きなハサミ、ハサミの可動肢の付け根の白い斑点が特徴
頭
幅が広くゴツい
棘
目と目の間から長い尖角が伸びている
殻
青みがかかった褐色
・食用として持ち込まれたので泥抜きをしてちゃんと調理すれば美味しい
・非常に攻撃的で頻繁に共食いする
雑食:魚類、底生生物、水草などを食べる。同種のお友達も食べる
ウチダザリガニは和名で、英名ではシグナルクレイフィッシュという。滋賀県の淡海湖という人工の溜池に放流され、定着した固体群だけが、タンカイザリガニと呼ばれ保護されていたが、勿論これらも立派な特定外来生物である。
ウチダザリガニの和名は希少在来種を食い荒らしていた犯人が彼らだということ特定するのに、北海道大学の内田亨教授が持っていた標本が貢献したことに由来する。
『侵略! 外来いきもの図鑑』
CM、制作会社を経て、イラストレーター/マンガ家に。広告、Web、雑誌、アプリを中心にイラスト、マンガ、キャラクターデザイン、ロゴデザイン等を手がける。FILMAGA、四コマ映画でイラスト付き映画記事を、IRORIOでイラストコラム「ウラケンの聞き流シンパシー」を連載中。
監修:五箇 公一(ごか こういち)
国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室長。外来生物や化学物質による生態系や人間社会への影響を研究している。様々な生物種を調査しているが、専門はダニ学であり、ダニをこよなく愛する。CGイラストを描くのが趣味で、ダニのCGを平成の天皇・皇后両陛下に献上したというエピソードが生涯最大の誇り。
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