木枠を使って生ゴミ処理
生ゴミが多く出る家庭や飲食店などの場合、木の下での処理では追いつかないと思います。その場合は木の囲いを作って、落ち葉を活用した生ゴミコンポストにするといいでしょう。
これは、設置の際の場所選びが重要です。下の土がかたいと、生ゴミの分解がスムーズにいかないのです。土がふんわりとしていれば水が浸透しますが、土がかたいと水が底にたまって腐ってしまいます。
木枠の内側に溝を掘ったり、穴を掘ったりして、土中に水の動きができるようにし、生ゴミの分解を促すようにしてから木枠を設置しましょう。
用意するもの
◎木枠
◎落ち葉(秋から集めて濡れないように保管。)
◎炭・くん炭
道具
◎手鍬またはミニツルハシ
◎移植ごて
◎グリグリ
1⃣木枠を作る
焼いた杉板や竹など菌糸が繁殖しやすい木材を用意し(木枠も菌糸の餌となるので)、板と板の間に1cm ほどの隙間を空けて木枠を作る。
前面の半分を覆わない形にすると、入れるのも取り出すのもやりやすい。
3⃣炭・くん炭をまいてグリグリ
溝に炭· くん炭をまき、ところどころにグリグリをする。木枠の内側の土がかたい場合は、そこにも炭・くん炭をまいてグリグリをする。
4⃣落ち葉をまく
縦穴に落ち葉を詰め、溝にも詰め、全体に落ち葉を厚さ20cm くらいまで敷く。両手で軽くなでるようにして、落ち葉と落ち葉が絡み合うように敷いていくと菌糸が繁殖しやすい。
落ち葉と生ゴミを層状に重ねると菌糸が繁殖しやすくなり、分解の速度が速くなります。
ふたはしなくてよく、雨が降りかかっても大丈夫。中に入った水は、設置前に掘った溝の方に動いていきます。水は溝からさらに土中深く入っていきますが、この動きができてくると、下から上に上がる水の動きもできてきます。すると、ここの環境が森の林床のようにしっとりとした状態になってきて、生ゴミが分解しやすい場になっていきます。
5⃣生ゴミを処理する
落ち葉が敷き詰められたところに、生ゴミを薄く広げる。
生ゴミの上には、あれば炭・くん炭をまき、落ち葉を軽くまぶす。また生ゴミが出たら、同様にして炭· くん炭と落ち葉を層状にまいていく。
土中環境の変化
溝や穴から水が浸み込み、土中で上下する水の動きができてきて、水脈とつながる。菌糸によって浄化された水が土中をうるおし、土をよい状態にしていって、まわりの環境がよくなっていく。
集合住宅で生ゴミ処理
マンションやアパートなどの室内で、匂いも出さずに、しかもインテリア的にもオシャレに生ゴミを処理することができるなんて、夢のようだと思いませんか?
写真A、Bは「地球守」のスタッフ(二人暮らし)の家で実際に使用している生ゴミ処理ボックスですが、研究を重ねながら分解を促す資材は変遷し、やり方も変えて、今は混ぜやすいので、袋なしにしています。
手に入りやすいものを使って、観察しながら、自分なりに工夫してやってみてください。
Ⓐ
生ゴミを循環させるためのボックス(友人たちと手作り)。幅39 × 奥行32 × 高さ39cm(ふたなし・外枠)。
Ⓑ
こちらは市場で不用になったりんご箱をアップサイクルして手作りしたボックス。杉の赤身の板が水に強くておすすめ。
処理ボックス使用法:1
木の箱に落ち葉を6~7分目まで詰め、竹炭をその半分くらい入れてから使用開始。生ゴミを中央に入れてふたをする。翌日底から混ぜ、その後できれば毎日混ぜる。数か月後、水分の調節が難しくなってきたら、庭やプランターなどで完熟させて腐葉土化させる。
処理ボックス使用法:2
中袋を使うと腐葉土化してから取り出しやすい。空気を通す麻の土のう袋がおすすめ。落ち葉と竹炭を同様に入れて、よく混ぜたら使用開始。
中央に生ゴミを入れたら、よく混ぜる。翌日同じ場所に生ゴミを入れないこと。生ゴミが袋に接触するのはNG。
※貝殻や干物の骨などの分解されにくいものは入れない方がよい。
今回は、土中環境を改善するために誰にでもできる身近なことを、10のアクションから「生ごみを土に還す」でした。
少しでも取り組むことで、災害も少なくなるはずです。
次回は、「草は抜かないで刈る」です。