常に時代の美的価値に挑戦し、服の概念を解体し続けたデザイナー、マルタン・マルジェラに迫ったドキュメンタリー。本作の監督、ライナー・ホルツェマー(『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』)は、キャリアを通して一切公の場に姿を現さず、あらゆる取材や撮影を断り続け匿名性を貫いたマルジェラ本人の信頼を勝ち取り、「このドキュメンタリーのためだけ」という条件のもと、ドローイングや膨大なメモ、初めて自分で作った服などプライベートな記録を初公開。ドレスメーカーの祖母からの影響、ジャン=ポール・ゴルチエのアシスタント時代、ヒット作となった足袋ブーツの誕生、世界的ハイブランド、エルメスのデザイナーへの抜擢就任、そして51歳にして突然の引退――これまで一切語ることのなかったキャリアやクリエイティビティについてカメラの前でマルジェラ自身が語る、貴重なドキュメンタリーを作り上げました。