
本作は、俳優・ミュージシャン・画家・アーティストなど、型にはまらない様々な分野で活動していたヴィンセント・ギャロが初めて監督に挑んだ長編映画。当初は『断絶』(71)のモンテ・ヘルマン監督で企画実現を考えるも、最高の作品にするためには自身のすべてを注ぎ込む必要性を感じ、監督・脚本・音楽・主演の4役を全てギャロ自身がこなすことに。その結果、1991年に開催された第25回スーパーボウルの勝敗をメイン・プロットに、自身の子供時代の経験や感情を盛り込んだストーリー展開となりました。
ブチ切れやすいのになぜか憎めない男。そして、彼の全てを優しく受けとめるポッチャリ系美少女。従来の恋愛映画では絶対主人公になりえない2人をスクリーンに登場させ、意表を突く状況設定、意外性のあるドンデン返し、そして最高のハ ッピー・エンディングでトコトンダメな男の人生模様を最高にカッコ良く描き、今だかつて、誰も見たことのない恋物語が誕生しました。

ダメ男の相手役・レイラを演じたのは『アダムス・ファミリー』(91)のクリスティーナ・リッチ。水色のワンピースとアイメイクが特徴的な、新しいヒロイン像を見事に体現。音楽にはヴィンセント・ギャロの自作曲のほか、英国プログレッシブ・ロック界の二大巨頭イエス、キング・クリムゾンらの楽曲を使用しサントラも大きな話題となりました。キング・クリムゾンの「Moonchild」の旋律を背景に、ボウリング場で踊るレイラの姿は『バッファロー’66』を象徴するシーンであり、90年代末という空虚な時代と、当時のミニシアター文化の熱気がスクリーン上から蘇ってきます。本作は初公開以後、映画ファンに愛され続け、これまでもイベント上映などで数回上映が行われてきましたが、この度満を持してのリバイバル上映となります!
『バッファロー’66』は2021年1月29日(金)より、渋谷パルコ8Fホワイトシネクイントにて公開!