“インディーゲームを中心とした様々なクリエイターの才能が一堂に会し、頂きを目指すきっかけとなる場”になることを志して、吉祥寺エリアを舞台に開催されてきた「TOKYO INDIE GAMES SUMMIT」（以下「TIGS」）。第3回となる本年は約24,000名（うち吉祥寺PARCO会場には8,000名）が来場するなど、ゲームユーザーとクリエイターが直接交流できる場として年々注目度が高まっています。今年も、武蔵野公会堂、吉祥寺東急REIホテルをメイン会場に、吉祥寺PARCOやハモニカ横丁など吉祥寺周辺の各所を会場に熱い2日間が展開されました。

屋上の様子。ファッション、フード、音楽ステージなど、ゲームを軸にジャンルを超えたコラボレーションが展開された

昨年に続き、今年もサブ会場として参加した吉祥寺PARCO。今年はパルコのゲーム事業開発部が吉祥寺PARCOの会場全体をプロデュースし、屋上・2F・1Fの各所で、試遊コーナーはもちろんのこと、古着、似顔絵、フードコラボなど20以上のユニークなショップやクリエイターが出店しました。

「ゲームをきっかけにさまざまなカルチャーと出会える場になることを目指しています。フードやファッションなどを通じ、ゲームの新しい楽しみ方を提案できるような出店者の皆様にお声がけさせていただきました。さらに、展示コーナーの『PARCO LOVE GAME』では、パルコがおすすめするゲームタイトルの紹介も行っています」（パルコ・ゲーム事業開発部担当者）

ゲームの枠にとどまらない、多様な楽しみ方ができるのがPARCO会場の魅力です。

「PARCO LOVE GAME」展示風景。パルコがイチオシする至高のゲームタイトル10選を紹介

パルコは2023年秋から本格的にゲーム事業に参入。 池袋、渋谷、心斎橋、名古屋など各店舗でのポップアップイベントや展覧会、自社IPの新規製作を行うなど、ゲームクリエイターを応援し、シーンをさらに盛り上げるべく、その楽しみ方を発信してきました。

「ゲームにおけるパブリッシャー（ゲーム開発者によって開発されたゲームを発売・宣伝する存在）の役割を担い、クリエイターの発掘からマーケティング、流通までをサポートできれば。今後は全国のパルコ店舗・外部施設でのポップアップに加えて、ゲームの開発なども視野に入れています」（パルコ・ゲーム事業開発部担当者）

全国にネットワークを持ち、カルチャーの発信を続けてきたパルコが、ゲームシーンにどのような新たなムーブメントを起こすのか。今後の展開に期待が高まります。

ショーウィンドウの中には、不思議なメッセージの書かれたメモやトランプが

1Fショーウィンドウには、マーダーミステリーアプリ「UZU」による周遊型ミステリーゲームが登場。ウィンドウ内のヒントをもとに、吉祥寺PARCOを舞台にしたオリジナル謎解きに参加することができます。

2Fでは6タイトルのオリジナルグッズを販売。隣では試遊コーナーが賑わっていた

15タイトルほどが試遊できるコーナー

2Fイベントスペースでは、TIGS本会場でも話題のインディーゲーム試遊コーナーが設置。選りすぐりのゲームを多くの人が試遊し、盛り上がっていました。

さらに、パルコと名作インディーゲームがコラボしたオリジナルグッズを販売。『アンリアルライフ』、『違う冬のぼくら』など話題作のアクリルスタンドや文具などのグッズが勢揃いしました。ゲームの世界観を凝縮したグッズはファンの心をくすぐり、新たなゲームを見つけるきっかけにもなりそうです。

『コーヒートーク』とコラボしたキッチンカーには行列ができることも

ゲームに登場するメニューの味を再現したコーヒーやアイスクリームを楽しめる

吉祥寺PARCO会場限定のオリジナルコラボも充実。1F入口前には、世界的人気ゲーム『コーヒートーク』とコラボしたキッチンカーが登場。コーヒーショップとアイスクリーム専門店が、コラボメニューとオリジナルグッズを提供し、ゲームのファンのみならず来場者の注目を集めました。

「SakeBottlers」のブース。イラストのイメージにあった味の醸造元から探すというゲーミング日本酒

屋上では、22のブースが出店。日本酒ブランド「SakeBottlers」は、「ゲームをしながら飲むための日本酒」を開発。ゲームにも親和性のあるクリエイターによるキャラクターが描かれたパッケージが目を引きます。

また、謎解き専門のアパレルブランド「トキキル」は、Tシャツの“謎”を解かないと購入できないというユニークな仕かけのアパレル。「インディーゲームファンの方の熱量を感じました！　今回実現した人気ゲームとのコラボアイテムはもちろん、初めて来場した方も楽しんでくれました」（トキキル代表）と、ゲームファン以外にも広がる新たな可能性を感じる出店となりました。

「トキキル」のブースの様子。スタッフがヒントを教えてくれるのでゲームに不慣れな人も楽しめる

このほかにも、1Fにはレトロ＆インディーゲームの展示・試遊コーナー、屋上にはゲームクリエイターによるゲーム風似顔絵やゲーム用のメガネ店、また謎解き専門書店やどこか懐かしいアメリカントイなど多種多様なショップが目白押しとなり、子どもから大人までゲームの世界に没頭している様子が印象的でした。

1F・レトロ＆インディーゲームコーナー「ゲームDo！」にはつねに人だかりができていた

屋上ステージでは、音楽パフォーマンスやトークが展開。ビートメイカー・DJのVaVa、ラッパーのJinmenusagi、京都のオルタナティブ・エレクトロニック・グループSawa Angstrom、ゲームボーイの音を使ったDJ・GIGANDECTなど代わる代わる豪華ゲストが登壇し、ファンと一体となって会場を盛り上げました。

TVアニメの主題歌や、多くのアーティストをプロデュースするビートメイカー・DJのVaVa

ゲーム音を取り入れたサウンドやゲームにまつわるリリックを手がけるJinmenusagi

Sawa Angstromのステージ風景

ゲームボーイを使ってプレイするGIGANDECT

青空の下、ゲームにまつわる音楽で大勢の人が楽しんでいた

2日目のトリを務めたのは、お笑い芸人・野田クリスタルさん。ゲームファンからも根強い人気のシリーズ「野田ゲー」の制作を手がけています。

野田クリスタルさんが登場。勝つためのコツを野田さん自身が伝授

野田さんと来場者による真剣勝負で会場を沸かせた

ステージでは、昨年末に発売した「野田ゲー」シリーズの最新作『スーパー野田ゲーMAKER』を使って、抽選で選ばれたプレイヤーと野田さんが対戦。野田さんが選んだ「大乱踏 フミマッシュブラザーズ」で圧勝した女性からは「ゲームは詳しくないのですが、野田さんのファンで、朝から並んで抽選券を受け取りました。初めてこのゲームをやったのですが、簡単でしたね（笑）。とても楽しかったです」とコメントをいただきました。

一口にインディーゲームといっても、その表現も制作プロセスも多種多様。大手メーカーとはまた違った自由な発想や独創性が詰まっているので、プレイヤー自身が新たな楽しみ方を発見できるのも魅力です。 クリエイターとユーザーが直接つながり、リアルな体験を共有できる「TIGS」と、パルコが仕かける他ジャンルのカルチャーの融合による、新しい可能性を感じられるイベントとなりました。

TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2025 in 吉祥寺PARCO

〈公式ウェブサイト〉

期間：2025年3月8日（土）〜9日（日）

会場：吉祥寺PARCO

X：@parco_games

ONLINE PARCO：https://online.parco.jp/shop/e/egames/

Staff

Photography: Sumire Ozawa

Text: Risako Hayashi

Edit: RCKT/Rocket Company*