
映画の原案となったのは、2018年に発表されたデイヴィッド・バーンのアルバム「アメリカン・ユートピア」。この作品は、ワールドツアー後、極限までシンプルでワイルドな舞台構成で2019年秋にブロードウェイ化。
グレーの揃いのスーツに裸足、配線をなくし、自由自在にミュージシャンが動き回る、マーチングバンド形式の圧倒的な演奏とダンス・パフォーマンス!元トーキング・ヘッズのフロントマン、デイヴィッド・バーンと11人の仲間たちが、驚きのチームワークで混迷と分断の時代に悩む現代人を”ユートピア”へと誘います。瞬く間に大評判となったこのショーは再演を熱望されながらも、2020年世界的コロナ禍の影響により幻に。そこで彼は、知人のスパイク・リーに声をかけ、この映画がはじまりました。


この映画を作った動機についてデイヴィッド・バーンはこう振り返ります。「今回のショーは自分のこれまでのショーとは、まるで違うものになるので映画化すべきだと思った。いま、世界で起きていることを表現したかった。ミュージシャンとして、これまでより責任のある行動に出たかったんだ」。この公演は、コロナウィルスの感染が広がる前の2019年10月から2020年2月まで行われました。だからこそ生まれた、観客と出演者たちとの親密な雰囲気が本作の映像にも生かされています。スパイク・リー監督が、「観客と舞台の人々の間に何かが生まれた。魔法のような感覚があった」。と述べているように、本作は、今失われつつある、“一体となって楽しむこと”の素晴らしさをもう一度思い出させてくれる作品です。迷える今を生きる私たちの意識を揺さぶる、この熱烈な人生賛歌をぜひ劇場のスクリーンで体感してください。
『アメリカン・ユートピア』渋谷ロフト横シネクイント&渋谷パルコ8Fホワイトシネクイント他にて絶賛上映中!