『ムーンライト』(16)、『ミッドサマー』(19)など、次々と話題作を発表しハリウッドに新風を吹き込む新進気鋭の映画制作会社A24。今やアメリカ映画界の最前線に立つ存在となった彼らが、2020年代の幕開けに用意したのが『WAVES/ウェイブス』だ。
本作の主役とも呼べるのは、今の音楽シーンをリードする豪華アーティスト達が手掛ける31の名曲。監督が事前に本編に使用する楽曲のプレイリストを作成し、そこから脚本を着想し製作された。監督自身が“ある意味でミュージカルのような作品”と語るように、すべての曲が登場人物の個性や感情に寄り添うように使用され、時には台詞の代わりに登場人物の心の声を伝える。従来のミュージカルとは一味違う<プレイリスト・ムービー>がここに完成した。