「bon.」をプロデュースするのは、同市に工房と展示ショップを構える岩瀬商店株式会社(以下、岩瀬商店)。
大正5年に創業。100年以上の歴史を持つ、染めと染色材料の染料専門店です。
現在は染料販売だけでなく、染料にまつわるグッズ販売や、衣類の染め替え、染料開発、染め体験ができる工房「ソメラボ」など、染物に関する広い事業を展開しています。
「何でも染めたがる社長」と名乗る岩瀬茂揮さん。岩瀬商店4代目として2009年に家業を継ぎました。「染めをもっと身近に」という思いのもと、企業や個人を問わず、あらゆる染めを手がけています。
染めるフィールドは布に限りません。飛行機の模型、大切な宝石、近所のおじいちゃんが作った竹細工、アミューズメントパークから依頼された200kgのロープなど、染められるものはなんでも染めるのが岩瀬さんの信条です。
「染めは僕にとって当たり前」。代々受け継ぐ染めスピリッツと共に、岩瀬さんが大切にするのは、どんなことでも挑戦する「遊び心」。そのユーモアから生まれたのが「bon.」です。
「bon.」は、岩瀬さんと交流のあった禅宗の和尚さんから「絡子」染め替えの依頼を受けたことにはじまります。
「もっとおしゃれを楽しみたい」という和尚さんの声を拾い、お寺で使う作務衣や頭陀袋などを共同開発。無難なスタイルや地味な色合いを、より自由に、よりカラフルに進化させました。
斬新なアイテムは和尚たちの間で話題になり、オショウさんのカジュアルウェア=オショカジというニューワードも誕生。和や禅の気分をフィーチャーするスタイルとして一般ユーザーからも注目されています。
レインボンチョ スミレ ¥17,600(税込)
他のボンチョはこちら
パッと目を引く、高貴なパープルカラー。こちらは、より撥水性を高めたレインボンチョ。
ナイロン製で軽いのはもちろん、カラフルな色の力でパワーチャージできそうです。
気持ちも状況も大きな変化が強いられたこの1年。
本当に大切なものだけに囲まれて生きていたい気持ちは、ファッションにも表れました。
「bon.」はサンスクリット語の梵に由来し、「幸あれ」の意を込め、呪文などのあとにつけて唱える言葉です。
着るとハッピーになれて、コーデもサマになる。
いつもの着こなしをフレッシュに導いてくれるボンチョを羽織って、ルンルン気分でお出かけを。
ちょっとした遠回りや道草を通して出会える、小さな幸せを探しに。
Model : 土手加那子
Photo : aoki
Text : 大須賀あい