印象的なタッチで描くイラストレーターの塩川いづみさん。自身の作品を発表し続ける傍ら、雑誌・広告・プロダクトなど、多くのクライアントワークも手がけています。
今回、ミツカルストア、ミントデザインズとのコラボレーション企画に参加いただいたのを機に、彼女の作品制作や仕事について、個展会場(個展は昨年12月に終了)でお話を聞きました。
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2019/01/26 Sat.
INTERVIEW / イラストレーター 塩川いづみ
印象的なタッチで描くイラストレーターの塩川いづみさん。自身の作品を発表し続ける傍ら、雑誌・広告・プロダクトなど、多くのクライアントワークも手がけています。
今回、ミツカルストア、ミントデザインズとのコラボレーション企画に参加いただいたのを機に、彼女の作品制作や仕事について、個展会場(個展は昨年12月に終了)でお話を聞きました。
― 現在はどのような活動をされていますか?
イラストのご依頼をいただく仕事としては特にジャンルが決まっている訳ではなく、商品や広告、雑誌、書籍の装丁などがあります。個展のための作品では、自分がその時に興味があるテーマを中心に描いています。
― 様々な場所で塩川さんのイラストを見かける機会が多いのですが、もともとイラストレーターを志したきっかけは何だったのでしょうか?
小さい頃から絵は好きだったのですが、絵の道が具体的にどんなものがあるのかわかっていなかったので、初めは普通の大学を目指していました。その後美大へ入り、在学中にインターンをしていたデザイン事務所でイラストの仕事を初めていただき、それがイラストレーターになるきっかけでした。初めての仕事はCDのジャケットで、そこから徐々に新しい仕事をいただけるようになりました。
― イラストレーターとしての仕事が増えていったのですね。イラストレーターとして嬉しい時、ワクワクしたりする瞬間はどんな時ですか?
クライアントさんと一緒にゴールを目指して、求めていた以上の仕事ができた時は嬉しいです。一人で絵を描くのと違ってみんなでがんばるぞという雰囲気があり、終わった後の達成感は仕事ならではという感じです。作品の制作は自分との対峙になりますが、人と関わる仕事は、自分の役割を見出すという面白さがあります。
― 塩川さんの作品は一貫して塩川さんらしいイラストだなと感じるのですが、ご自身の作品を描く時に気をつけている点はありますか?
自分が飽きないようにしています。それと、作業にならないように。どんなテーマを置くか次第で、新しく何かを発見できたり知らないアプローチに挑戦できたりもするので、それをいつも見つけたいと思っています。ずっと続けることでやっと解るみたいなこともあるので、続けていくことは続けながら、並行して新しい視点を探しています。自分が楽しいと思っているものじゃないと、魂が入らないというか…人に伝わっていかないというか…
― 私達の仕事も同じです。作業にならないように気をつけています。
そうですね。常に新鮮だと良いなと思っていて。そういう風にしていくのは難しいですけど、気づいたら10年経っていました。
― 作業の場所や使っている道具など何かを変えてみたりして、新しい感覚を養うことはありますか?
場所を変えるのは…すごく眠い時は変えたりしますけど、そこまでダイレクトに作品には繋がりません。それよりは、自分が何か外で新しい刺激をもらってきて描く時とか、自分の内側が変わった時の方が新しい感覚で描けます。描く場所はいつもの場所が落ち着いて描きやすいですね。
― 新しい刺激という言葉が出ましたが、作品を描く時にどういうものから影響を受けたり、インスピレーションを得たりすることが多いですか?
人ですかね… 言葉とか。
― 人の顔を描かれることも多いかと思いますが、出会った人がモチーフになっているのですか?
そういう時もありますし、写真で見た人のこともあります。想像で描くことはあまりないです。
― 音楽や映画などからインスピレーションを得るクリエイターさんもいますが、塩川さんは人から何かを得ることが多いのですね。
音楽や映画ももちろんありますが、出会った人、なかでもモノを作っている人と話していると、「あ、そうか、そういう考え方があるんだ」と、それまで気づかなかったことがその瞬間に、「あー解った」ってなって、それが絵を描くことに繋がっていったりします。あとは言語が全く違う所に行った時、常識が変わると同じ言葉でもイメージすることが違ったりして、驚きがあります。
― 海外に行くと特に感じますよね。
説明されない場所の方が、「え?どういうことだろうな」と思って、わからないことが溜まっていく。ある日突然、ひらめいて、「あれは、こういうことかもしれない!」って。それが、自分なりに面白く展開したりします。
― 塩川さんのクリエーションの源泉がわかったような気がします。では、今後やってみたいこと、挑戦したいことはありますか?
あります。今パッと浮かんだのはワインのラベル。具体的すぎますね(笑)
― 製品にイラストを落とし込んだりすることが好きなんですか?
好きです。何か目的があることの方がわかりやすく、使う人や場所を想像するのも楽しいです。
― 最後に、イラストレーターを目指している若い人達に一言お願いします。
こうしたら、こうできる、ということはないのですが、たくさんものを見たり読んだりするのは良いと思います。あと、どんなジャンルでもそうだと思いますが、楽な仕事はない気がするので、体力が大事かも…。ほんとに好きなことならなんでも楽しい!自分に合ったやり方を見つけるのは時間もかかるし私も模索中ですが、絵を描くことは好きでいてほしいと思います。
― 貴重な一言ありがとうございます。本日はありがとうございました。
インタビュー場所:nidi gallery
塩川いづみ Izumi Shiokawa
イラストレーター 1980年長野県生まれ。
2006年多摩美術大学グラフィックデザイン科卒。
2007年よりフリーランスで活動をはじめる。広告、雑誌、商品などを中心に活動するほか、作品の展示発表も行う。
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