元々音楽をやりたいわけではなかった
元々音楽をやろう、という強いモチベーションは実はありませんでした。やりたいことは特になかったし、人から何かやれって押し付けられるのは嫌なタイプです。
高校の軽音部のときに、コピーバンドで府中のライブハウス 府中Flight に出演したら、100人くらい集まったことがあって。卒業後、府中Flight でアルバイトをしていたときに、(府中Flightの)店長から、「佐藤君は華があるし、集客もできるんだから、音楽活動やめちゃうのもったいないよ。やってみたら」と何度も勧められて、それをきっかけに、ソロで弾き語りを始めました。
koboreの活動を始めてすぐ、いきなり全国ツアー50か所へ
府中Flightでのアルバイトで、常に目にしていたバンドがかっこよくて。東京の真ん中じゃなくて府中でひたむきにLIVEをし続ける、という一本筋の通った姿勢に憧れて、僕もこうなりたい、と思ってバンド用の曲を書き始めました。
それから軽音部の後輩のベース・田中と、先輩のギター・安藤をSNSで誘って、最初は遊びのようにセッションするところから活動が始まりました。
その後ドラムの伊藤が加わって kobore の形になってすぐ、 府中Flight の店長が、「せっかくだからツアーやりなよ。俺が紹介しとくから」と全国の知り合いのライブハウスに直電して、瞬く間に全国50か所を回るツアーを組まれてしまいました。自分たちは、その時ツアーなんてやったことなかったので、どういうものかわからなかったけど、店長は「全部回ったら変わるかもね」って。
ツアーは本当にしんどかったです。バイトも出来ないから全然お金がなくて、携帯も止まっちゃうし。泊まる場所はスーパー銭湯ならまだいい方で、車で下道を移動しながら寝たりもしました。LIVEも4日連続、5日連続で組まれていたから、あまりに大変で、時にはメンバーで本気の殴り合いが起きたりしました(笑)。
感動のツアーファイナル。過酷なツアーが「kobore」の原点になった
当時の kobore は全然知名度がないし、特に地方だと時にはお客がゼロの回もありました。
とても悔しくて、「絶対自分たちを覚えて帰ってもらおう」「対バン相手の中で一番良い演奏しよう」「ライブハウスに気に入ってもらって、また呼んでもらおう」って自分たちを奮い立たせてがんばりました。
「次はもっといいLIVEにしよう」って。
ツアーFinal、府中Flight での凱旋LIVEは忘れられません。これまでのLIVEの思い出がこみ上げてきて...。いまだに思い出して胸が熱くなります。
遊びのように始めたバンドでしたが、50本のツアーを終えたとき「俺たち、もうやめられなくね?」って。
そこで初めて kobore としての覚悟が出来ました。
kobore はLIVEバンド。来てくれた人を喜ばせたいから全力投球
僕らは、LIVEバンド。
今でも、年間150本以上のライブを行っています。
CDとLIVE、「全然違うけど、LIVEのほうが断然いい!」って言われたい。わざわざLIVE会場に足を運んでくれる人を喜ばせたい。
LIVEに対する熱量。1曲目から最後の曲まで、全力投球。
LIVE終了後、ご飯も食べたくない、とにかくすぐ眠りたい。っていうくらい出し尽くしたときが自分たちの最高のLIVEです。
バンドを始めたい人へのアドバイス
自分もそうでしたけど、最初からこれ一本で、と決めていたわけではなく、府中Flight の店長をはじめ、たくさんの人に助けてもらって今があります。
まずは仕事を辞めないで(笑)、気軽な気持ちで初めてみてください。
筆者あとがき
「僕たちはLIVEバンド。」
最初その言葉にピンとこなかったが、ライブを観て納得。CDと同じバンドと思えない。
とにかく熱いのだ!kobore を初めて観た人も大勢いるであろうイベントであったが、空気をふるわす圧倒的なサウンドと、エネルギッシュなパフォーマンス。観客は楽しさの渦に巻き込まれて熱狂する。1曲が終わったときの爽快感がたまらない。次も観たいという気になった。
ほら kobore のLIVEいいでしょ。という佐藤さんの無邪気な笑顔が浮かんでくるようだ。
Profile
kobore https://kobore.jp/
Gt. Vo. 佐藤 赳
Gt. Cho. 安藤 太一
Ba. 田中 そら
Dr. 伊藤 克起