━━ 『ピサロ』の稽古が始まる前に、新生PARCO劇場お披露目&オープニング・シリーズ記者会見の舞台に登場されましたね。
はい、いよいよ始まるんだなって実感が湧いてきて、気合いを入れ直さなきゃな!って気持ちになりました。台本は昨年夏にはいただいていましたが、ドラマや映画の撮影もあって、中途半端な気持ちでは読み始めたくない、『ピサロ』に集中できる状態になってからじゃないと無理だな…と思って。今年に入ってから本格的にセリフを入れ始めました。
━━ 集中して台本に向き合ってみて、感じたことは?
読めば読むほど、毎回新しい発見があります。ここはこういう意味だったんだ!って、最初に思っていたことと全然違う受け止め方をしたりして。稽古前でこんなに発見があって、これで稽古が始まったら毎日が刺激的過ぎて、心と体がついていけるか、ちょっと不安です(笑)。でも、それも楽しみですね。言葉の難しさも最初は不安でしたが、読むほどにアタワルパの言葉がどんどん僕自身の言葉になっていって、今は気持ちよく言葉が出てくる状態になっています。
━━ 頼もしいですね。宮沢さんが演じるアタワルパは、1985年上演の『ピサロ』で今回の主演の渡辺謙さんが演じた役です。どうアプローチしていきたいと考えていますか?
絶対的人物でいなくてはいけない…とは、台本を初めて読んだ時から思っています。皆が恐れるほどの絶対的な存在になるのは、並大抵のことではないですよね。“太陽の息子”という神のような存在に、どうしたらなれるんだろう…って。これまでは自分を役に近よせる役作りをしてきましたが、今回は、今までやったことのないレベルで人物像を作り上げなければいけないなと。あと、舞台上に立っているだけで“太陽の息子”の存在感を出すにはフィジカルが大事だと思うから、体を鍛えようと思っています。また、謙さんへのリスペクトはもちろんありますが、僕の演じるアタワルパはまったく別物。完全に新しいものを作ると考えて、自分で見出したものを大事にしたいなと思いますね。