そして、ニュアンスカラーが揃う染めスイートピーは、特に注目を集めています。
グレー、ベージュ、深いパープルカラー、ブルーなど。
曖昧な色合いが魅力のニュアンスカラーがいまフローリストたちから多く手に取られてとても愛されています。染めスイートピーの産地、倉敷の船穂には、親しくさせていただいているファームたかおさんの農園があり、去年はguiのスタッフみんなで、お邪魔させていただきました。大きな川を見下ろす丘の上にあるスイートピーのハウス内では、人の背丈ほども高くのびたスイートピーがすくすくと育っていました。
独特の技法で、染められていく絶妙なニュアンスカラーのスイートピーたち。
まるで架空のおとぎ話のようなお花の色合いを楽しめます。
茎から落ちてしまったスイートピーの花びらは、その一つ一つをよく見つめてみてください。
一番外側は「flag(旗)」次に出てくる蝶々のような花びらが「wing(翼)」
最後にでてくるのは船の底に見立てて名付けられた「keel(竜骨)」と呼ばれています。
染め液が水に戻らないように様々な工夫をして出荷されているそうですが、白い服などで扱うときには茎に触れないように少しだけ気をつけてくださいね。
さて、スイートピーの花言葉は、「門出」「優しい思い出」。
花びらがいまにも飛び立つ蝶々に見えることからきているそうですが、大切な人の贈り物にもぴったりのお花ですね。
そうそう、その甘い香りがヨーロッパの女性たちからも愛されていたスイートピーは、寝室に飾るお花の定番としても定着していったそうです。
寝室に飾って、朝目覚めた時にこの香りに包まれたら、、、。
想像するだけでも幸せな瞬間ですが、暮らしにスイートピーを取り入れたら、寒くて縮こまる早春の日々も少しだけ優しい気持ちで過ごせそうです。
プロフィール
前田 有紀 / フラワーアーティスト
@yukimaeda0117
10年間のアナウンサー生活のあとイギリス留学を経てフラワーアーティストとして独立。
パーティーやウェディングなどの空間装飾のほか、移動花屋のオリジナルブランド「gui」、神宮前に週末限定フラワーショップ「NUR」をオープン。