学生時代にチアリーディングをしていたことから体育会系の気質で、負けん気が強かった喜多さんは、新卒で就職した営業職で心も体もボロボロに。その状態に救いをもたらしてくれたヨガとの出会いで自分を大切にすることを学び、ヨガインストラクターに転身。

「営業職についてからは、毎日営業に飛び込んでは断られての繰り返しで、自分の結婚式の翌日から単身赴任になったり、ものすごく忙しい日々を過ごしていました。大阪で単身赴任中にメンタルをやられてしまい病院にも通っていたのですが、それでも負けず嫌いだから、薬を飲みながら必死で会社に行ってはトイレで泣いているような生活でした。このままじゃダメだと思っていたときに、ジムのレッスンで初めてヨガをやって、自分にフィットしているなと感じたんです。そのとき、ヨガを教えてくれたのが、私の師匠にあたる人で「人生一回きりなんだから、やりたいことをやりなさい」って言ってくれて、ヨガの勉強をしてみることに。私がヨガを通して変われたように、自分の心と体を大切にする人が増えたらいいなと思って、ヨガのインストラクターになることを決めました」

ヨガと聞くと、たくさんのポーズで体を動かすフィットネスとしてのヨガをイメージする人もいますが、ヨガは考え方やメンタル面をケアする哲学の部分も大きい。哲学としてのヨガから強く影響を受けたという喜多さんは、自分にも人にも完璧主義だったそれまでの考え方が柔軟になり、自分らしいバランスが見つかったのだとか。

「以前はできない自分が許せなかったんですが、ヨガを学んで、自分を傷つけることもよくないと思えるようになりました。まずはできないことを受け入れて、他の方法を考えたり、ポジティブな方向に転換できるようになりました。今は何事にも無理をしないし、楽もしない、すごくバランスのとれたラインに自分を持っていけるようになりました。私にとってヨガは、自分の人生って楽しいなと思わせてくれるとてもいいツールです。どうしてもネガティブになってしまうときや物事を俯瞰して考える余裕がないときは、一旦考えるのをやめて寝る！ ジャーナリングというノートに書き出す作業も効果的ですし、頭が整理できると、思ったより悪い状況じゃないかも、って思えるんです」

では、ヨガをはじめて健康や身体面ではどんな変化があったのでしょうか？ 営業職をしていた頃は、たくさんの不調を抱えていたという喜多さん。ヨガを始めて様々な変化を実感し、多くの女性が悩んでいるホルモンの周期や自分の調子にあわせた過ごし方が身についたのだそう。

「毎朝同じポーズをとることで、日々のちょっとした体調の変化に気づくことができます。自分の調子を把握できると、調子がいい日はやることをいっぱい片付けようとモチベーションも上がるし、結果的に効率がよくなります。それから、体の調子には生理の周期も関係しています。生理前の2週間は黄体期と言って、体が重くなったり、PMSがある人はネガティブになってしまったりもするので、その時期はストイックな運動を控えて、逆に生理の後は思考もクリアになるので自分を追い込んだりもします。ヨガを始める前は、生理痛が酷くて救急車で運ばれたことが何度もありました。でも、ヨガを始めたことで平熱が1度上がり、今では生理痛がほとんどないんです」

1児の母とは思えない引き締まった体と明るい笑顔が魅力の喜多さん。ヨガのほかにもランニングや水泳などをして、毎日をアクティブに過ごす喜多さんの、きれいのヒントをご紹介。

「食生活は、基本的に食べたいものを食べているんですが、2ヶ月に1回酵素ドリンクを使った断食でデトックスをしています。消化ってすごくエネルギーを使うんですが、肝臓などの臓器をしっかり休めることで、そのエネルギーが成長ホルモンなどに変わり、肌も元気に蘇るし、頭もすっきりするのでおすすめです。日常生活の中では、筋膜リリースアイテムを愛用していて、背中や太腿の筋肉がほぐれてすごく気持ちいいです！」

次回は、体の悩みに効果的な4つのヨガポーズを紹介します。

喜多朝子（きた・あさこ）

1993年7月1日生まれ。ヨガのレッスンをはじめ、トレーナーや子供たちへの運動指導など多岐にわたり活動。初心者にも分かりやすく明るい雰囲気のレッスンに定評があり、特に女性からの支持が厚い。2022年秋、運動や美容コンテンツを配信するオンラインサロン「JustMe」を立ち上げ人気を博している。2021年には長女を出産。趣味は海外旅行と韓国ドラマ鑑賞。

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Staff Credit

Instruction & Model: Asako Kita

Photography: Sakai De Jun

Design: Sakura Kashiwazaki

Edit & Text: RCKT/Rocket Company*

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