「ミチシルベ」は、株式会社パルコが運営する、"何か"をはじめようと思った人の「はじめの一歩」を応援するトライアルプロジェクトです。現在Webサイトと記事を公開しています。
ここでは、"先人が残した道標"として、新しく"なにか”をはじめた先輩の話や、活動の魅力を紹介していきます。
テーマは“古着”。
若いときに古着が流行って、古着屋を巡り歩いたことのある30代の方は、結構多いのではないでしょうか?今回は、30代会社員の筆者が20年ぶりに古着に挑戦した話を紹介します。
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2022/05/28 Sat.
全身シンプル楽ちんコーデの俺が古着に挑戦してみた[ミチシルベ]
「ミチシルベ」は、株式会社パルコが運営する、"何か"をはじめようと思った人の「はじめの一歩」を応援するトライアルプロジェクトです。現在Webサイトと記事を公開しています。
ここでは、"先人が残した道標"として、新しく"なにか”をはじめた先輩の話や、活動の魅力を紹介していきます。
テーマは“古着”。
若いときに古着が流行って、古着屋を巡り歩いたことのある30代の方は、結構多いのではないでしょうか?今回は、30代会社員の筆者が20年ぶりに古着に挑戦した話を紹介します。
”30代会社員”とは筆者自身のこと。「ミチシルベ」を運営するパルコの会社員だ。
簡単に自己紹介をすると、北関東の田んぼと山に囲まれた団地で育ち、そこで当時「ChokiChoki」や「TUNE」など、東京の最新ファッションが掲載された雑誌を穴が開くほど読んで、「いつか東京を歩いてファッションスナップに撮られてやる」と意気込む田舎少年だった。
それから幾年月が経ち、数年前から晴れて憧れの渋谷で働く事になったのだが、会社員をはじめてから、深夜の家系ラーメン、そしてそれにライスをプラスする幸福を知ってしまった筆者は、気づいたら体重が30kgも増えていた。。。
※顔はイラストです
ファッションは今でも好きだが、高い服やこだわりの一品物を、現在の体型に合わせて買ってしまうのはもったいない気がしてしまい、今はシンプルかつ安価、そしてサイズはXL一択、いわゆる「楽な」服装に落ち着いてしまっている。。。
そんなおじさん街道まっしぐらの筆者だが、毎年お正月に神社で決意する抱負は「アンチエイジング」。
一応、若々しくてオシャレでカッコいいおじさんになりたいという気持ちだけはある。
「ミチシルベ」で古着を取り扱ったのもなにかの縁。古着は自分が高校生の時にも流行していて、地元の古着屋さんをよくウロウロしていた。それから約20年が経った今、ファッションを楽しむ気持ちを思い出すために、再び古着にチャレンジしてみることにした。
お邪魔したのは津田沼PARCOの「Top of the Hill」。
Top of the Hillは、アメリカやヨーロッパで反体制的なムードが広がり、若者たちが主張した個性が文化として表出していたという、1960 年代〜70 年代の個性的で上質なアイテム中心にセレクトした、古着・ヴィンテージ&インポートショップ。
▶「Top of the hill」 Webサイト:https://topofthehill.jp/
まずはスタッフさんに古着の魅力を聞いてみた。
今回お話を伺ったのは、マネージャーの名古屋さん。
ーーー古着を始める人へのおすすめのアイテムを教えて下さい。
やはり古着の代表的存在はミリタリーだと思います。
現代のファッションでもミリタリーを模したアイテムはたくさん出ているし、いつもの格好に1点ミリタリーを取り入れてみるなど、ファッションに取り入れやすいので、オススメです。
そして一口にミリタリーと言っても、国ごと年代ごとによって、柄や型に様々な違いがあります。
迷彩柄ひとつとっても、アメリカ軍の「ウッドランド迷彩」というのが一般的にも馴染みの深い迷彩柄ですが、スイス軍の「アルペンカモ」には、赤い色が入っていたり……国によって全然違います。
この中からなにを選ぶかはそれぞれのお好みですが、シンプルに見た目の好みで選んでも良いし、文化圏や年代を意識してコーディネートを選んでみても面白いです。僕は普段、ヨーロッパ物のアイテムはヨーロッパで合わせる、アメリカはアメリカ...というように、同じ地域のアイテムでコーディネートすることが多いです。
ーーー古着初心者に向けて、古着の醍醐味を教えて下さい。
まずはなにより「一点物」というのが魅力です。他の人とかぶらない。
そして、服に歴史があることも魅力だとおもいます。
僕の今日のコーディネートのテーマは、「フレンチヴィンテージ」。
僕が履いているのはフランス軍のパンツM52、トップスは70年代のチャイナシャツ*と言われるもの。
今作られている洋服で、昔のフランスのファッションを楽しむことはできないですが、このように過去の流行や文化を楽しむことができるのが古着ならではだと思います。
(*チャイナシャツは、1960年代にフランスに移住した中国人移民の影響によりフランスで流通したと言われている。)
特にヨーロッパ物の古着は落ち着いていて、大人の方も着やすいアイテムが多いと思います。
他にも名古屋さんにヨーロッパのワークウェアを紹介してもらった。
コックシャツ・ワークコート・フィッシャーマンシャツ・なんと囚人服まであった! 結構汚れる仕事やガテン系職業のウェアなのに、どれも普段着に普通に取り入れられるキレイめなアイテムばっかりだった。
名古屋さんに話を聞いて、一番印象的だったのは、古着は”歴史や文化を楽しむ”ことができるアイテムだということ。そして、そういった服に込められたバックボーンに興味を持つと、今まであまり手を伸ばさなかったアイテムにも興味が湧いてくる。
名古屋さんの話を聞いてホクホクになったところで、自分でも店内を探ってみた。
印象に残ったアイテムを紹介する。
ミリタリーシャツ
アニキも「軍モノを買うべし」と言っていた*ので、ミリタリーは必ずチェックしようと思っていた。
(*参照:はじめての古着はこれを買うべし ~「アニキ」片野英児[ミチシルベ]~ )
ミリタリーというと、パンツやジャケットのイメージが強かったが、シャツも面白かった。
カーキやネイビーといった重めのアーミーカラー単色で、ハーフボタンやワークシャツ風のしっかりしたポケットなど、少し存在感があったり一風変わったディテールが入っていて、普通のシャツだと少しコーディネートが寂しいとき、ひと味足すアイテムとして持ってこいだ。
ついでに、ゆったりとしたシルエットでぽっちゃり男子にも優しい。
プリントTシャツ・スウェット
こちらも古着の代表的なアイテム。映画やスポーツ、バンドやライブ、アメリカの大学、有名なメーカーや団体など……全身シンプルコーデに1枚足すだけで、存在感のあるグラフィックの数々。この中から自分にとっての運命の1枚を探し出す体験は、ワクワクが止まらない。
ワークアイテム
ワークウェアが集まったコーナーがあった。「これは消防士?」「いや工事現場でしょ」とか言いながら、職業当てゲームをしながら服を漁るのがすごく楽しかった。
ワークシャツを一着試着してみた。これはアメリカのカー用品店とかガソリンスタンドの類ではないだろうか、普段こんなビビットな服はめったに着ないのに、このシャツは買おうか最後まで迷った。
日本のスーパーや消防士のユニフォームを普段着で着ようとは思わないが、海外で作られ、時間と海を超えて古着として店に並んでいると、途端に興味が湧いてしまうのが面白い。
結局、迷彩柄が気に入ったベルギー軍のミリタリーパンツと、ストライプと長めのシルエットが特徴のフィッシャーマンシャツを購入した。
楽しかった
あえてテキストにするが、めっちゃ楽しかった。
古着を探すという体験自体が楽しい。
筆者が感じた古着屋の魅力は、シンプルにアイテムの多さと予想外の発見。
普通の洋服屋さんより圧倒的に数の多い、ぎっしり並べられたアイテムの中から、運命の一着を掘り当てるワクワク感と結果自分が狙っていたアイテムとは全く違うものが気に入ってしまう偶然の出会いは、まさに宝探しだった。
スタッフさんの話を聞くと、アイテムの見方が変わる
この取材をしようと思った当初は、ロックTシャツとか柄シャツを買おうと思っていた。
でも実際に買ったのは、ミリタリーパンツとフィッシャーマンシャツ。
名古屋さんから迷彩柄の国ごとの違いを聞いていたら、自分のなかで一番しっくりくる迷彩柄を探すことが楽しくなって、ベルギー軍のパンツを手にとった。
そして、「これは消防士か? いや、工事現場じゃないか?」とか言いながら、ワークアイテムを色々みていたら、フィッシャーマンシャツの見た目が気に入って購入に至った。
服の歴史や背景に興味を持ったことで、ただ見た目や印象で服を探してたら出会えなかったアイテムを買うことができた気がする。
自分磨きをしようと思った
これは古着に限ったことではないかもしれないが、自分だけの1点物を探して試着をしているうちに、やはり自分が気に入った服を最高の状態で着れないことに対する悔しさを痛感した。
次回記事を出す時は、10年で溜め込んだ30kgを精算し、スリムになった筆者の姿を見せることを心に誓った。
夢中でアイテム探しをした。考えもしてなかった服を買った。自分を磨こうと思った。
約1時間の古着探索で、自分がこんなに変わった。
自分のスタイルや服との向き合い方がある程度定まって来て、変化がなくなってきた30代にこそ、古着は是非おすすめしたい。きっとなにか自分にとって新しい気持ちを持ち帰れると思う。
ミチシルベは、株式会社パルコが運営する、何かを始めたい人の「初めの一歩」を応援するトライアルプロジェクトです。
自分も新しいことを始めてみたい、と少しでも思って頂いた方へ。
ミチシルベのWebサイトでは、先人の活動を記録した記事や、気の合う仲間さがしや気軽に相談ができる掲示板をご用意し、何かを始めてみたい方のサポートを行っていきます。
よろしければこちらを覗いてみてください。
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