病院に行くほどではない「なんとなく不調」を抱えている現代女性は、結構多いと聞きます。そんなときに味方になってくれるのが、未病にアプローチする「漢方」の考え方。試しに取り入れてみると体調がじんわりと改善され、気づくとなんだかいい感じ。より毎日がハッピーになりそうですよね。
そこで今回の記事では「冷え」にフォーカス。冷えとはどういう体の状態なのか、漢方観点での対処法や積極的に食べるとよい食材、日常生活で気をつけるべきことなどを、漢方薬剤師・柳沢侑子さんに伺いました。
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2022/02/21 Mon.
シブトイ「冷え」は背中を温める!? おすすめの漢方や食材も解説します
病院に行くほどではない「なんとなく不調」を抱えている現代女性は、結構多いと聞きます。そんなときに味方になってくれるのが、未病にアプローチする「漢方」の考え方。試しに取り入れてみると体調がじんわりと改善され、気づくとなんだかいい感じ。より毎日がハッピーになりそうですよね。
そこで今回の記事では「冷え」にフォーカス。冷えとはどういう体の状態なのか、漢方観点での対処法や積極的に食べるとよい食材、日常生活で気をつけるべきことなどを、漢方薬剤師・柳沢侑子さんに伺いました。
中医学では「冷え」の根本原因を探り状態を見極めていきます。それによって症状や対処法が変わってくるからです。
冷えのタイプは二つのタイプに大別されます。一つは「①外気温にかかわらず慢性的に全身に冷えがある」タイプ。これは疲労や偏った食生活、月経や出産などによりエネルギーや栄養が不足することが原因となり、体を温めるパワーが不足している状態です。小さいころから体質的に冷え性である人もこれに当たります。小さいころからの冷えがある人は、冷えが重い可能性が高いので、養生をよりしっかりしたほうがいいでしょう。
もう一つは「②手足が特に冷えている」タイプ。これは甘い物や脂っこいものの食べ過ぎ、ストレスなどが原因となり、体を温めるエネルギーや栄養分があるにもかかわらず四肢の末端までそのパワーを運べていない、いわゆる「巡りが悪い状態」です。慢性化することもあるので早いうちの対策が必要です。
前述の①の冷えの人によく使う漢方薬は、「温経湯(うんけいとう)」や「十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)」「婦宝当帰膠(ふほうとうきこう)」などの気血を補い、体を温める働きのあるものです。
普段の食生活では、体をじんわり温めて寒さをふきとばしてくれるシナモンティーがおすすめ。特に寒い季節は、羊肉、鶏肉、鮭、えび、ニラなどを食べるようにしましょう。
一方、②の冷えの人への漢方アプローチは、「逍遥顆粒(しょうようかりゅう)」「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」「芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん」などの気血を巡らせる漢方が処方されます。普段の食生活では、紅茶に玫瑰花(まいかいか)を浮かべた玫瑰紅茶(まいかいこうちゃ)や、巡りをよくする玉ねぎやらっきょうなどがおすすめ。
日常生活では、とにかく体を冷やさないようにすることです。防寒対策をきちんとし、サラダやお刺身などの生ものや、体温より冷たいものを控えることも大切。冷蔵庫で冷えた惣菜も冷たいまま食べないように。ただし、冷えるからといって温かい飲み物を飲みすぎてしまうと、体内に余分な水が多くなり、これも冷えにはよくありません。水分のとりすぎにも注意です。
また、動かないことも冷えの大きな原因です。コロナ禍での在宅勤務や外出制限で運動不足により、冷えが悪化したというケースが本当に多いです。ぜひ日常的に、運動習慣を身につけましょう。
ただし、タイプ別に運動の仕方も異なります。②の末端が冷えている人は気血を巡らせるためにたくさん体を動かすことが効果的ですが、①の全身が冷えている人はエネルギー不足が冷えの原因となっているので、あまり激しい運動だとエネルギーを消費してしまい逆効果。ヨガやストレッチやウォーキングなど、ゆったりした動きの運動を疲れない程度に行いましょう。
また、どちらのタイプの人にもおすすめは、1日30分程度の日光浴。太陽は自然界の活動エネルギーの大元です。ポイントは冷えにおすすめのツボがある背中を意識すること。晴れた日には散歩をしたり、窓辺でひなたぼっこして太陽からの「陽気」を取り込み、冷えを予防しましょう。
心斎橋パルコに去年の秋オープンした医療ウェルネスモール「Welpa(ウェルパ)」には、漢方を日常生活に取り入れやすくするアイテムがそろう台湾発の漢方ブランド漢方ブランド「DAYLILY KAMPO STAND(デイリリーカンポウスタンド)」があります。そこで買える「冷え」におすすめのアイテムはこちら。
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①の冷えタイプには体を温める根本であり、生命力の源でもある「腎」を助けるこちらの粒のサプリを。補腎の力がある漢方で使われる材料が入っており、体をポカポカ温めてくれます。冷えが強く、慢性的に冷えているという人にもおすすめです。
Refill EAT BEAU-TEA ~ My Favorite Things ~¥3,780(税込)
こちらも①の冷えタイプにおすすめのお茶。「血」を補う役割があります。女性の体にいいナツメ、龍眼(りゅうがん)、黒豆がごろっと入っています。
ASIAN SUPER POWDER ~Pre Moon Smooth~ ¥2,030
②の冷えタイプにおすすめなのはこちら。滞りがちな気を巡らせ、心を穏やかにしてくれます。
冷えによいものはたくさんありますが、その方に合う食べ物や養生法があります。とくに漢方薬を試してみるときは自己判断で購入せず、漢方の専門家に相談すると、より体にあったものを選べます。薬だけでなく生活週間や食事のアドバイスもできますので、ぜひお気軽にご相談ください。
柳沢 侑子
薬剤師/国際中医専門員/国際中医薬膳管理師/不妊カウンセラー。外資系製薬会社へ勤務していたが、自身の体調不良がきっかけで漢方の世界に転向。日本で中医学を普及させた第一人者のもとや本場中国での研修を経て、国際中医専門員を取得。年間1万人以上が訪れ、日本の中医学のパイオニアとされる漢方薬局で修行を積んだ後、一般社団法人女性の中医学普及会を設立。
現在は、講演、漢方相談をしながらYouTube「やなゆう漢方・薬膳ちゃんねる」で養生法を発信している。DAYLILY顧問。
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