― 商品化にあたりこだわった部分は?
まずは、サイズ感。普段2人分の料理しか作らないので、20センチ位のフライパンだとヘラの面が大きすぎるとやりづらいんですよね。なので、フライパンの中でも小回りがきく面の大きさにしました。ちょうど手のひらに乗るくらいのサイズです。
(撮影で使っているヘラはサンプルの状態のものです、以下同)
柄の長さも何パターンか試作して、一番手になじむ持ちやすい長さに。
枝の先が曲がっているのも使いやすいポイントです。ひっかけて収納しやすいですし、使うときもここに指をひっかけて重力にまかせて持っていられるので、負担なく楽に使えるんです。
いろいろな調理がしやすいようにあけた、面の穴の形もポイントです。
「直角」だから、圧もかけやすい。そして食材を置いておけるのがとにかく便利。たとえば目玉焼きをフライパンから取り出してお皿にもうつす……というなんてことない作業がすごくしやすいんですよ。
― なにげない使いやすさって助かりますよね!
そうなんです、ちょっとしたことなんですけど。なにげないことがすっとできると、料理するのが苦じゃなくなって楽しくなります。とくに私は面倒くさがりですし、ミーハーなので、料理の楽しいところだけ味わいたいんです(笑)。 なんていうのかな、フローチャートでいうと一直線で完成まで進められるレシピが好きです。いったんお皿にうつしてまた火にかけて……といったような「いったりきたりする」レシピって、たとえ早く作れたとしても忙しくて大変じゃないですか。私がレシピを考案するときは、いかにシンプルな工程でできるかを大切にしています。
―レシピはどうやって考案しているのですか?
アイデアがふっと浮かんでくるというよりも、四六時中レシピのことを考えているかも。というか、考えてるという感覚ももはやなくて『明日なに着ようかな』くらいな感じで、いつも頭にありますね。
― キッチンツールはどう選んでいますか?
特別な料理にしか使わない調理道具は、買わないようにしています。しまうところもなくなるし、毎日その料理を作るわけじゃないので。例えばホットサンドメーカーを買ったとしたら、最初の何回かは楽しく使えるけれど、そのうち「せっかく買ったんだから使わなきゃもったいない!」という気持ちになってしまって、なんだかちょっぴりしんどくなってしまいます。 それもストレスなので……。特定の料理や作業専用の道具ではなく、いかに普段から使い回せるか、を重視して選びます。
汎用性がいちばんですね。私が使う定番ツールは、深めの23cmのフライパン、雪平鍋、大小のボウル、菜箸、木ベラ、おたま、などかな。一度気に入ったら、同じメーカーさんのものをリピートして使っています。
最近愛用しているのは、貝印さんのピーラーと計量スプーン。このピーラーは、ナスのような皮を剥きにくい野菜も、するするとひっかかりなく剥けるので愛用中。この計量スプーンは、きっちりすり切り一杯で測れるから間違いがないんです。一番小さいサイズの小さじ4分の1はレシピ考案の際、ひとつまみだとちょっと足りないけれど小さじ2分の1だと多い、といったような絶妙な量を測ることができます。自立するのも便利ですし、シャープな見た目も好きです。
(左上から、時計回り)
スーパーハイカット ステンレスおろし金 4号(両目立) ¥3,575(税込)
和の職人IHゆきひら鍋16cm 新タイプ ¥2,860(税込)
ステンレスT型ピーラー DH-3000 ¥1,430(税込)
18-8計量スプーン4本組DH-3006 ¥1,260(税込)
ちなみに今回誕生した「ちょっかくターナー」は、長谷川さんが愛用しているという貝印のピーラーや計量スプーンを扱っている新潟県燕市の厨房用品総合商社・エムテートリマツにより製作されたもの。長谷川さんがこだわりの角度や様々な調理に使える強度を実現できたのも、使いやすさが追求されたキッチンツールを多く取り扱う、信頼のある企業だからこそです。