━━ 『Ｄｉｎｅｒ　ダイナー』への出演が決まったとき、どんな気持ちでしたか？
 
出演が決まったときは、もちろん嬉しかったですが同時に、オオバカナコを演じるのが私でいいのかという不安もありました。でも、蜷川版『Ｄｉｎｅｒ』として新しく構築された作品を改めて観ると、監督はじめ美術だったり衣装だったり、たくさんの力をお借りして、オオバカナコとしてこの世界に入れたことを嬉しく思いました。
 
━━ オオバカナコを演じてみて感じたことは？
 
カナコは、最初と最後では別人と言っていいほどキャラクターが変わります。“最後のカナコ”を思い描きながら、入り口の演技を抑えて、劇中のカナコの変化がはっきりと見えるよう意識していました。振り返ってみると、最初はすごく卑屈な女の子で、その分すごく楽な生き方をしていたんだな、と。それが映画の終わりにはまったく違う女性に見違えるので、わずか数日間でどれだけのことを吸収したのだろうと考えながら、「何日目のカナコ、何日目のカナコ」というのを常に頭に置いて演じていました。