━━ 最初はどんなアイテムをつくっていたんですか?
小柳:もともとアパレルレディスブランドの一部としてスタートしているんですが、最初はデザイナーが幼少期に江戸時代の小物入れを宝箱のように使っていたことから、三つ折りを紐で巻いた、いわゆる「道中財布」をモチーフにした財布を発表しました。「江戸財布」というネーミングのこのアイテムは今もブランドの顔とも言える商品です。それから約14年、さまざまなアイテムを発表し改良を重ねています。
━━ どういったアップデートを行ってきたのでしょう。
小柳:「江戸財布」だけじゃなくて、どの形のアイテムでも、用途を考えると使える面積はおのずと限られてきますので、その中で新しいテクニックを取り入れたり、使っていただいた方の感想をフィードバックしたりと、毎年試行錯誤を重ねています。コンセプトを大事にするのはもちろんですが、同時に機能美というか、使い勝手のよさから導かれる美しいデザインという考え方も大切にしていますね。財布の内側の機能性などは、いろいろなことを試してきた中で、お客様からの評判がよかったデザインを残しつつ、新しいものを取り入れていくような形でアップデートを重ねています。
━━ もし壊れたら直してもらえますか?
小柳:革自体が大きく破れてしまったら難しい場合もあるのですが(笑)、もちろんメンテナンスもお受けしています。例えば財布なら、スナップボタンが開閉を繰り返す中で真鍮のバネが緩んだり、ジップの生地が破れたりする場合もあります。そんなときにこちらに持ち込んでいただければ、パーツの交換や、また解体が必要な修理の場合は一度縫製を解き、また同じ針穴に縫い直してお返しします。すべて手仕事で行うのでちょっと時間はかかってしまうのですが。使っていただくことで生まれた経年変化をそのまま継続しながら、5年10年と、さらに育てていってもらえたら嬉しいですね。
「スナップハコサイフ」¥30,000/saranam
こちらの商品を「PARCO ONLINE STORE」で買えるのは3月20日まで! この機会にぜひ、長く付き合える革小物を手に入れてみては?